・外出しない日。日記を書いてNotionを整理して時間が消える。
・『ハミングバード・プロジェクト』見た。原作を読んでたはずだけど全部忘れて新鮮に見た。
・忘れたうえでしっかりと負ける側の物語を描いているのが珍しく感じた。なんだか成功したら凄そうな話なんだけど中盤からは雲行きが怪しくなってきて、ある点を境にどうしようもなくなってくる。思えば結構最初から「上手く行けば~」が枕につくようなプロジェクトを邁進させている節はある。コケたら取り返しがつかないなぁーと想像したらちゃんとそれを引き起こしている。
・ていうか、タイトルも違うし原作通りなのかはあんまりわかんないね。マイケル・ルイスの著作はいくつか読んでるけど、あんまりパッとしないやつもある。その中ではマネーショートが一番面白い。映画も面白い。
・成功談じゃないところが良い。ジェシーアイゼンバーグはいつものように早口で喋りまくるのも良い。
・『Refind Self 性格診断ゲーム』をプレイした。一応3周した。ゲームの作り上、何回もプレイすることが求められる。繰り返しを誘起する設計にはなっているが、少々飽きる2、3周目。
・このゲームの良くも悪くも上手いところがタイトルだと思う。性格診断ゲームと名を打つことで人を呼びつつ、なんか違うなっていうところもある。
・ゲーム内での行動に特性が割り当てられて、最終的なプレイヤーの性格診断というか分類をする。ただし、それはゲームをプレイしている時の選択肢という留保がある。ゲーム内の自分と普段の自分はやや違う。
・ゲームの中だからという割り切りで、普段はやらないことをやったりする。ゲームだからこれをやらないと意味なさそう~って選択肢は結構ある。そういうものが反映されるので、何を診断しているのかよく分からなくなってくる。例えるならグランドセフトオートでめっちゃ犯罪するけどそれが性格になるわけではない。単にそういう遊び方をそこではするってことだ。振る舞いから性格を類推することの不可思議さが湧き出るが、それを言い出すと性格診断全般に波及する。
・でもそういう性格診断の精密さではなくて、作り込みがしっかりしているところが良いゲーム。キャラクターやドット絵、関係性、世界観。そういうところがしっかりしているので、このキャッチーな部分が刺さらなくても大丈夫な作りやなっている。繰り返しプレイすることの意味もきっちりと作り込まれているので、その狙いにプレイヤーを載せることに成功している。
・「ゲームの中でゲームをやる」っていうある種、メタ的な構造があるけれども性格診断ゲームと名打ってそれらしいものをやるというメタ構造と重なっている気がする。
・1プレイに限りがあるので満遍なく世界を探索させていろんな可能背を見せたうえで選択肢を問うって作り、ちゃんとしている~~~。
・『富江』を読んだ。しっかりと怖いので怖がった。
・ホラー短編集には独特の共通した読後感がある。起承転結があるとして最後のオチの突き放し方、そのあとどうなったのか?と続けられそうなところで終わる。断末魔で終わるって書けばホラーらしいのだけどヌルっと次の短編が始まる単行本の構成だと余計にこの感じが際立つ。ホラーのわんこそば。
・富江は1987年に書かれたらしく、そんなに昔でもないって思ったけど37年前は相応に昔だ。西暦が1ずつ増えるインクリメント処理をしているってことは過去も同様に1ずつ遠ざかっている。その感覚が釣り合っていない。90年代はいつまでも90年代の近さを保持している。これが老化。
・漫画の根幹には増殖する富江って怖さがあり生物学的なヌメり感がちょうど気持ち悪い。それと同時に増殖の感じはデジタルでもある。ホラーの『リング』における貞子も実はそういうデジタルな怖さを表現したものだと聞いたことあるけど、たぶんそれに近いのかも。富江の増え方はパラサイト的な生物に見えつつ、生存と復讐が本能的に実践されている様子が的確にコーディングされた人工物のようにも見える。
・初めての伊藤潤二として上下巻を読んだところで外へ。買い物。寒い。
・帰宅。
・『ストップ・メイキング・センス』がAmazonPrimeで配信が始まっていた。見始めたら睡眠時間を削りそうだな~と思いながら見て案の定日付を超えた。トムトムクラブのあたりで止めて寝た。