20240922──秋を連れてきた男。

・知らん人の声でおきた。寝させてけろ。オモコロウォッチを聞く。しめ縄のパスタを食べていた。そんなになのか。気になるけど買うのを忘れるタイプのやつ。

・昨日買ったパンを食べモンエナを飲み日記を書く。ダラダラしていたら時間が過ぎるので『他者といる技法』を布団で読む。眠いから眠れるような配慮。

・人と人が集まった社会が「思いやり」と「かげぐち」の2つの体系から成っている、と大まかに言っている。なんかそんな気がするけど個人的にはあんまりぴんとこない。とくに「かげぐち」は自分では面白くもないので言わないようにしているのでそれで社会的な関係が形成されてる実感がほぼない。でもこの2つは表と裏で同時に存在しているらしく、孫悟空とベジータみたいなものといってよい(本にそんな記述ない)。

・だとすれば自分があんまり社会的な関係を形成していないってことの証拠かもしれずそれは薄っすらと当たっている。かも。

・承認を得る、や居場所が必要って言説はそれなりにあるけど度々同様の感じでピンときてない。社会に位置しているけど組み込まれていない、その組み込まれていないことに違和感もあんまり覚えてないのでそこに悩みはあんまりない。いつぞやはそこに悩んでいたと思うのだけどそんな事考えても「現にいまここにいる」のでしゃーないなと思い至っている。そこに納得できる説があるかないか内面の問題に過ぎない。

・承認欲求って言葉は普及しすぎて今はもうあんまり言われることがない気がする。そこでは自分の存在を承認してもらうことと名声を得ることがごっちゃになって語られていたように思う。本書だと自分ていう存在そのものを認知してもらうっていう素朴な話だ。

・承認なんていらんぜよ、と思っているがそんな自分もどこかで承認を補給しているだけに過ぎず「かげぐち」とも思っていない「かげぐち」を言うてるだけかもな。

・承認が自分を作り上げることについては「統合失調症」の分析に重なるところがありその危うさがグングン来てる。

・眠くなったので寝る。気がついたら13時になっていた。荷物をカバンに詰め込んで西梅田に行く。予定の時間がまだ先だけど昼食だけ食べてどこかで読書しようって計画。

・雨が降っていたので折り畳み傘を指す。普通に差していたらバランスを崩して持ち直すと持ち手が折れていた。持ち手の終端がペットボトルの蓋みたいになっていて底の根本から折れたせいで傘の付いた棒にランクダウンした。

・友人に聞いたチキン南蛮の美味しいお店は休んでいた……。カレンダー上は祝日なのでそのせいかも知れない。傘棒を持って別の店を探す。近くのカレー屋に行ってみると混んでいたので断念。そのすぐ前のガラガラのラーメン屋に入った。具とかではなくシンプルな構成で戦います!ってタイプの店だった。豚骨だけど澄んだスープ、具のなさが無。無のラーメン、無ーメン。

・そのあと目をつけていた喫茶店に行くと休んでいた。理由はさっきと多分同じ。そのあとまた別のカフェに行くと休んでいた。理由は前述。

・このあと入れそうなカフェを探して40分ぐらい歩くことになった。自分の良くない性質に「混んでいる店に入ろうとしない」があるらしくこれは都会/休日と相性が悪い。端的に席が狭かったり隣席が近かったりするのが嫌ってのもある。席を確保してレジに並ぶのもなんか嫌だな~って回避していると梅田に入れるカフェは無い。縦横無尽に歩いて結局サンケイブリーゼで時間を潰すことになった。

・西東三鬼の『神戸・続神戸』を読む。何きっかけで買ったか忘れて家にあったやつ。戦前から戦後にかけて神戸に住んでいた著者のエッセイらしいが、私小説?ってぐらいちょっと奇妙だ。現実味と非現実味のバランスが凄くて面白い。神戸って土地柄のイメージ をまだ持てるぐらいの距離感にいるのでそう読めて良かったなと思える。たぶん神戸に持つイメージによって読み味が変わると思う。

・『他者といる技法』も読み進める。意外なことに新聞における外国人の書かれ方を分析している。なんかメディア論っぽい。外国人を異質な他者として書く場合、四象限にきれいに分けられるけど穴があるって話が面白い。

・外国人を主体-客体、ポジティブ-ネガティブの2軸にプロットすると「カワイソウ」「コワイ」「キタナイ」が浮かび上がる。四象限なのに3つしか無く、足りないのは主体-ポジティブで、ここに当てはまる描かれ方が今のところ無いとされている。異質な他者と「主体性があってポジティブな存在」はどうやら折り合わないらしく、上記の3つにならざるを得ないのは今も通じる話だ。

・そんなこんなで時間になって会場へ。折坂悠太の呪文ツアーを見た。めちゃくちゃ良かった。

・そんなに曲を聞いているわけでもなく、かなりなんとなく見に来ていたけどこれに行く選択肢取って良かった~~~ってなった。チケットを取るのが遅く、中2階っていう多分ハズレの席だったのだけど施設の音響が良くて大して気にならなかった。ちょうど手すりの支柱が折坂悠太に重なるっていうハズレofハズレ席だったがライブなのに視覚情報をいれる理由も分かんないのでほぼ目を閉じてた。

・バンドセットなのが最大限発揮される瞬間がめちゃくちゃ格好よかった。『朝顔』は強い曲で音源でもドラマチックなのだけどそれが強調されていた。観客的にも熱量が生まれる曲なのだけどそれに続いて『夜学』『努努』を立て続けに演奏して室温が5度くらい上がったと思う。バンドでのキメの瞬間の多さも熱かったし、拍手をさせきらずにその熱量のままなだれ込んでいく瞬間がやべぇ~~~となっていた。あまりに凄くて曲が終わった瞬間に前のめりに拍手したらまだやるんだ!?ってなった。

・サックスのソロかっこえぇ~~とか思っていたらフルートも吹いててびっくりした。

・2階席特有の発見として舞台に絨毯が敷かれているのを見れたことかな。アジアンというか柄のあるラグが各演者の下に敷かれているは1階だと多分見れない。

・MCで稲川淳二のライブに行ったら10分ぐらい手を降っていたので自分も降るようにすると言ってて最後まで結構手を降っていた。いちおうライブは写真撮影だけがOKなのだけど客席は暗いしシャッター音もあるので撮る人は少なかった。アンコールでそれを気にしてか撮影タイムが始まりパシャパシャ撮られる様子を「ジャスティン・ビーバーみたい」って言ってた。

・外に出ると完全に秋の涼しさになっていた。秋を連れてきた男。

・サンケイブリーゼは初めて言ったのだけど成人男性もちゃんと座れる大きさで良かった。あとトイレが各階の動線に設置されていて親切だった。大体のホールが結構移動しないとトイレにたどり着けなかったりめっちゃ混んだりする。

・帰路。スーパーに立ち寄って買い物。シャワってチャーハン食べて飲酒して寝た。