・いつものように起きた。オモコロウォッチを聞く。
・日記を書く。杞憂が消えて気分的には明瞭になっている部分が感じ取れる。
・予定を定めていなかったのでバナナを食べて外へ。ちょっとだけ雨。
・『ナミビアの砂漠』を見た。かなり良かった。波長というかテンションがいまと合っているようで楽しんで見られた。

・ストーリーはあってないようなものでまとめようとするとTHE邦画って感じのソフトストーリーだ。河合優美演じる主人公カナの表情や挙動をつぶさに見て何かを感じ取れる人は興味深く過ごせると思う。内面を推し量るのが難しいというか本人もよくわかってないがゆえに縦横無尽に動き回るので分からんな~とはなる。分からんでもよい。
・映画として結構変わっている演出が多くてそこが好みだった。一目見て変だなって気づくのだけどその変さにウケてしまった。そんなタイミングでタイトル出るんだ!?とかそのワイプ編集はなんなんだ?とか。
・ウケるでいえば恋人とのセリフの応酬が多いのだけど出てくる男が揃いもそろって癖があり怠くてダサくてしょうもねぇ~~って要素の粒がそろってるのも面白かった。そこでそんな言い回しする?とか良くも悪くもカナに対して虚勢や見栄を張っている部分とそれが崩れていく瞬間がなんとも面白い。ほとんどコメディだなって瞬間も多い。
・明らかに怠く感じているのにそれをセリフで言わせずに表情とオーラで観客に感じさせるのは徹底しているなと思った。
・この映画の内面について分かっていることはほぼ無いといっていい。これは男性だから分からないのか、そもそも分かるようになっていないのか。両方ある気もする。
・映画の冒頭は唐突に始まる街の遠景でそこから喫茶店のシーンに移る。この時点でこの映画がかなり「音」の映画だってことが分かったので映画館で見てよかったなと思う。喫茶店で他所のテーブルの会話がやけに耳に入って気になってしまうのはあるあるだけれどそのあとも何気ない生活の音がずっとあった。
・喫茶店の友人が知り合いの自殺について話し出すとなんか元気になっていく瞬間はすごかったし、その時のカナの顔も凄い。
・タイトルの元ネタが直接的に出てくるのが意外だったし、そういう小さなインターネットの物がこうやって映画になっているのもすごい。
・やけに男がカナに水を飲ませたがるのとかは「ナミビアの砂漠」の水飲み場を意識してのことかと思う。そうすれば砂漠にいる野生動物はカナのことなんだろうか。動物と人間って比喩を男女に重ね合わせて解釈できなくもなさそうだけどあんまりピッタリとはハマらない気がする。
・ただこの社会は人間に最適化されすぎていて動物みが失われているのは確かだ。カナは脱毛(しかも美容脱毛!)で働いているが脱毛なんてものはその最たるものだ。人間も動物なのに何か別のものでないといけないように思わさせる社会。それにハマり切れないカナって存在は確かにあるし自分にも部分的には当てはまる。それゆえに病んでしまうのか、男社会と男の存在が憎くも愛してしまう不整合で破綻するのか。すらっと説明できなさは矛盾といってよく、そこには「若者特有の」とつけたくなるような現代性があるのかも知れないがもっと普遍的な気がする。個人というよりも社会が変で矛盾しており適合していないと人間と見なされない。オアシスを探すけど無い。つれぇ~の。
・カナが動物なのかで言えば結構動物だと思うし冷蔵庫のハムをそのまま食べたり自由気ままに暮らしている感じはそれっぽい。自分のことが好きな男性が二人いて、どっちかで恋心が揺れるなんてラブコメの展開だけどこの映画ではそういう浮ついた感じはない。愛や恋の話ではあるがもっと実直にその場しのぎ的にサバイバルしている人間って感じだ。なので彼氏の太い実家のBBQもつまんな~~い顔するわな。
・このつまんな~~~いという態度は全面化するけど言わないってのがそれなりに肝っぽく見えた。
・この映画を見て思うところはあるのだけどあんまり言語化できないなと思う。こうやって書いているが体験よりはかなり陳腐にアウトプットされているな。
・劇中で「映画なんか見てなんになるんだ!」と吐き捨てられていたが一理あるのでウケた。
・キャンプだほ~い
・映画館を出て歩く。汗びしょでカレー屋にイン。何気なく座ったらエアコン直下だった。特に気にせず3種盛りを注文したが他の客との会話で月に一度のベジタブルオンリーの日だったらしい。どうりで野菜ばっかりなわけだ。

・ホウレン草のカレーを注文しがちなんだけど全然味が分かってないかもな。ホウレン草の味はカレーによってかなりかき消されるので正味存在していない気がする。
・スパイスで汗をかいた。たっぷりの熱いチャイが来たのでちびちび飲んでから帰路。
・ふたたび汗びしょで帰宅。グランドフェスをやる。モンエナを飲む。
・なんか見よう~って『シャイロックの子供たち』を見た。地面師たちに通じるものがあって面白く見た。
・池井戸潤が原作なのでまあそれっぽいマネー系映画だな~ってなった。見ている最中は気にならなかったけど脚本上キレイに地ならししすぎている感じはある。面白いけど整いすぎている。けどつまんなくはない。
・阿部サダヲが主演できれいに活躍するように動く感じは良い。クセの強い俳優ではあるのがコメディに振り切ってないときはかなり好きかもしれない。『ラスト・マイル』での演技のトーンがなんか印象に残っている。
・映画を見終わってDiscordに行くと日程を見誤っていた。映画を見る会は明日だったので無駄に飲酒してから寝た。