20230709──散るなら散るで大爆発

・映画を見に行くか迷った末にいった。本当は『リバー、流れないでよ』を見ようかと思っていたがうだうだしているうちに時間を逃してしまったのだった。ミニシアター系ばっかりかと思っていたがtoho梅田でやっていて、でも苦手なスクリーン(階上or階下)だったので諦めていた。朝の初回については大きいスクリーン3なので休日にしか行けない。それを逃したわけだ。

・『大いなる自由』見た。良かった。

・男性同性愛を禁じていた戦前ドイツで(女性については調べていない)逮捕された男が主人公で、ずっと獄中で話が展開される。差別的な法制そのものの酷さは言うまでもないので正面から扱うわけではなく、あえて言わないことで言っている効果が出ている気がする。最初に言い渡される刑期を遥かに超えて収監されているのだけど、そのことについての突っ込みはほとんど無い。制度的な不誠実さを問うよりも、閉じた密室の世界で良くも悪くも人が如何に変わるか/変わらないか、に焦点が当たっている。

・一番良かったシーンは見た中の人で結構一致すると思う。ネタバレするが、それはポスターになっているシーンだ。ここが「人が変わること」の象徴が強くて泣いた。

・刑務所モノの映画ってそれなりにジャンルとして多いと思うが、落とし所は結構王道でそうなるんだって思ったな。言っちゃえば『ショーシャンクの空に』でも描かれていたことでもあって、タイトルの意味をちゃんと問うカタルシスはあった。ほとんどバッドエンドというか、思い返すと良かったねと言える要素が一切ないかも。

・結局は内も外も変わらないような一種の状況に主人公は気づいてしまう。時間が流れて戦争は終わり、刑法が変わったとしても同性愛者としては外も内と変わらないとも捉えられる。それこそ、外には「大いなる自由」があるように思われるがそんなことはなく、薄暗いほとんど牢屋のような場所であっけらかんと性欲を満たしている場の描き方はそういう意図があるだろう。

・内と外を分けるものは「自由」だと特に考えずとも言えるわけだけど、そうではなかった。では、主人公にとっての自由とは何かを考えると「決定できること」だと考えられる。行動が制限されたとしても「決定」だけは自由だ。それは誰かを好きになり愛するかを強制(矯正)できないことでもある。

・映画のラストはまさに主人公が決定したことによって幕が閉じる。ただしここが自由意志的な決定なのか、長すぎる刑期によって歪められたのかの線引きが難しい。おそらく両方あると思う。現実的にも長すぎる刑務所生活によって社会復帰が難しいことは容易に想像できるし、それこそ『ショーシャンクの空に』ではそういうことが描かれている。だからハッピーエンドには程遠く、差別的な社会制度による悪しき影響に思い至りズーンと気落ちする終わり方だった。

・劇中で音楽はほとんど流れないところで、ここぞというところで流す演出とかはちゃんとしていた。

・映画でモザイク無しの男性器を見たの久々な気がする。

・ハンバーガーを食べた。チキナゲ、食べるたびになんか別に食べんでもええんちゃうか~と思っているような気がする。

・友達に教わったキムチを食べた。パッケージは梨泰院クラスの演者らしいが全く知らない。このキムチ、辛い🌶。本場の韓国キムチのスタンダードなのか知らないが、基本的に国内キムチしか食べていなかったのでちゃんと辛いキムチを久々に食べた。旨い、が推されているのでコクの強いやつかと思ったら全然辛いの卑怯すぎ。一度にたくさんは食べられないけど美味しい。

・Netfliの配信映画『トロール』見た。まあまあだった。

・怪獣映画だ、と小島秀夫がツイートしていて確かにそうかもって思った。ノルウェーに巨人(トロール)が出て大変だ~~~~というあらすじで、ほとんど『シン・ゴジラ』的だ。

・主人公が女性の考古学者(?)なのだけど、良くも悪くも女性学者のステレオタイプ的な枠からはみ出ないのが惜しかった。全体的に結構ゆるいんだけど、この手のゆるくて男性が主人公の映画もたくさんあるのでそういうものとして受けることも出来るし、逆に活躍しないと女性にしている意味合いが薄れてしまうっていう対立する要望が生まれた。女性にこそ優秀さを求めるのはそれはそれで毒の物差しだ。とはいえ単に面白さが薄くて大味なせいもかなりの部分あると思うが。主人公のスキルや洞察が活きる場面は少なく、父親との関係性にドラマを生もうとするのもありきたりを超えない。

・普通に大統領が女性だったり、政府組織の男女比率が拮抗してそうな感じは北欧っぽい!となった。

・意外にトロールは結構可哀想な感じなので、その辺を割り切っていいのか分からない感じはある。劇中にはキリスト教化されてしまったノルウェーっていう目線が出てくるので、現代社会批判みたいな文脈が顔を出すが深堀はされない。題材的にはアメリカでもオーストラリアでもドイツでもいいけど、特定の人種を迫害して成り立った社会っていう突き付けをするのかと思ってしまった。ゴジラは準人型であんまり会話できそうにないが、トロールはそれなりに言葉が通じそうでめちゃくちゃ優しい目をしている。その辺の掘り下げがいまいち物足りないが、そういう映画ではない。

・DMでmisskeyの誘いが来たので入ってみた。インスタンスの理解とかをちゃんとしないとな~と思ったまま放置していたので全然やっていない。わざわざサーバー代を払ってインスタンスを確立したらしく、やる気あるな~って言った。

・Twitterは滅びてもまあ良いかという気はしているが、情報摂取の機会が著しく減るのが嫌だな。書きたいことはここに書いているのでアウトプットが詰まるということはない。散るなら散るで大爆発して欲しいと思っているが、地味に衰退するのはリアリティがあって一番面白くない。

・トイレに黒くて素早い虫が出たときに聞いてた曲の歌詞がこれなので笑ってしまった。It’s too bad,and it’s so sadだわ。曲の趣旨とは全然ちげーけど。

・ていうかまた黒くて素早い虫でてるじゃねーか。やめてくれ。