20230616──ダンゴムシDAYじゃん。

・2度寝に成功し6時半に起きた。ねみーのでごみを捨ててコンビニでモンエナを買った。昨夜買い物に行けなかったのでごみ袋がなく、キッチンにごみが散乱していてエントロピーと同じ状態になってる。

・うどんでグワーとなっていたが体重は変わっていなかった。むしろやや減っていた。食事の体重への跳ね返りは体感で二日後、なので気は抜けない。ていうかここんところの体重はあまり減っていないのでそれはそれでよくない。

・見そびれていた『ワンダーウーマン1984』を見た。フラッシュの予習にはならなさそうだ。ヒーロー映画なんだけどかなり現代の寓話っぽくて意外だった。

・ワンダーウーマンの生い立ちなんかは概ね一作目でやり切っていたと思う。珍しいのは恋人が死んでいることだ。なので今作にスティーブ(クリス・パイン)の出番はないはずなのだけどトリッキーな出方をしていた。

・本作のキーアイテムは夢を叶える石で成就と引き換えになにかを奪う「猿の手」アイテムだ。これが使われ恋人が登場するが、すでに存在している人物の意識にその恋人が憑依し、見た目はクリス・パインに見えるが鏡にはもともとの人物が映りこむ、という変な設定になっている。

・哲学の思考実験か?と思うようなトンチキさだ。ここに気持ち悪さを感じてしまい、ずっと気になってしまった。見た目と中身、この2軸の入れ替えはたくさんあるがこの見た目に「見せかけ」と「本当」の二つが加わるので「なに?」ってなってしまう。異世界転生モノでも既に異世界にいる存在に転生する作品はあるが、そこでも「これは精神の乗っ取りではないか?」と考えてしまうことがある。その問題意識がずっと刺激されてしまった。

・これはその人をどの要素によってその人であると認識するかってことなので、大変な問題だと思うが劇中では全然触れられない。人間版テセウスの船みたいな話にもなりかねない気がする。

・もっとも、寓話っぽいのはそこでは無くて悪役の行動や動機だ。資本主義的なイデオロギーや何らかの価値観を体現したかのような悪役像が出ていた。願いを兼ねることで破滅する、というかなり教訓めいた物語をヒーロー映画で思いのほかたっぷりとメインに据えている。またキャラ造詣がほとんどドナルド・トランプだったり、願いの種類が政治的だったり人種差別的だったりと現代社会に向けたメッセージがわりと強く、そのあたりは真っ当でよいなと思う。

・敵に近い存在としてダイアナ(ワンダーウーマン)にあこがれるバーバラというキャラクターがいる。彼女は学者で陰キャでパッとしない風に描かれていて、一見派手で強いダイアナに惹かれてダイアナのようになることを願ってしまう。ここが若干同性愛的に描かれているように見えなくもないが、その後に陽キャで金持ちっぽい男性のマックスにほだされてしまう展開になる。マックスは石を狙っておりダイアナのことを手段としか見ていなさそうだが……といった部分を後半から投げていて一切回収されない。

・あとマックスに息子がいて最終的に父子関係に焦点が当たっていくが母親については全く言及されていなかった気もする。そもそもダイアナがスティーブの登場で石の捜索を完全に脇に置いたり、戦闘機で無理そうな移動を完遂したり、いろいろ粗は大きい。

・地面をふと見ていたら今日だけで3匹のダンゴムシを見た。ダンゴムシDAYじゃん。

・昼から入った急な打ち合わせの資料を2時間で完成させてので偉い。偉すぎるので映画を見に行った。

・『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』見た。おもしれぇ~~~~~。が、惜しむらくは2部作であることを知らなかったことだ。これはネタバレでも何でも無く情報公開されていたのだけど忘れていた+フィルターバブルで入ってこないの両方がありそう。続きが見たい、って気持ちは面白がっている証拠でもある。

・いろいろ言いだすとキリが無いけども、前作同様にヴィジュアル面のキレがすごい。どの場面を切り取っても格好の良い画面になっているのはもちろんのこと、作画や演出が目まぐるしさの一歩手前で見ているだけで楽しい。派手なところは派手でウェットなところも演出がしっかりしていて、テクスチャの異なる手練手管の多様さが数えきれない。例えばグウェンが父親と対峙する場面の絵画的な塗り、その変化は見事だなと思った。

・前作は主人公マイルスがスパイダーマンになれるのか、というヒーロー作品によくあるやつだった。今作ではより「スパイダーマンとはなにか」に焦点が当たっている。だけど結論が次作に持ち越されてしまっているのでカタルシスの不在が半分って感じ。たくさんのスパイディーが登場することで否が応でもスパイダーマンらしさ、キャッチコピーにある「運命」への抗いにつながっていくがこれに説得力のある着地へどうやって持っていくのか結構想像つかない。それでも予想を裏切り期待を超えてくる2作目を作ってくれそうな確信は誰もが持っているだろうな。

・スパイダーマンがたくさん出てきて面白い、に拍車がかかっているだけで、もうそれでよい。拾い切れていない小ネタはたくさんありそうなので諦めているが主要なスパイダーマンのキャラクターはどれも良かった。

・彼らに敵対する悪役も意外な塩梅で驚いた。本家について詳しくないが手ごたえのない人物像が不穏で、むしろ敵の格が高まっている。ずっとスポットなんだ~って思ったな。導入が軽いのもあってすぐ倒されるかませ犬かと。

・字幕だったので吹き替えでも見たい。というか劇場でやっているのなら何度も見ておきたいかも。基本的に映画を映画館で見る体験は人生において特定の期間しか無いので、すべての映画は公開されたときが一番の見時だと思っている。

・ホービー大好きクラブを結成しよう。