20230813──煙たくなった体

・寒くて起きた。冷房が効きすぎている。布団が無いので座布団を二つ被せて凌いだ。遭難者かい。

・朝食としてパルムを食べてモンエナを飲んだ。

・穂村弘『世界音痴』を読み終わった。ウロマガを読んでいるのでちょっとそれっぽいなと思った。ウロマガの文章というよりも、穂村弘その人の感じがちょっとダ・ヴィンチ・恐山に類似点があるんだと思う。表題の世界音痴はまさにそういう話であり、両人のちょっとしたエピソードは重なる領域に存在していると思う。問題なく生活している人の自然さをあまり持っていなく、ぎくしゃくとしてしまう感じが。ちなみに穂村弘については何も知らないまま読んでいる。

・Discordサーバー内で検索すると管理人(ダ・ヴィンチ・恐山)は去年に世界音痴を読んでいたらしく、ほ~んとなった。なおツイート検索するとそれ以前に世界音痴について言及があるが読んでなくても言及するみたいなことは当たり前にあるのでちょっと人間味を感じた。

・映画好きの人にベスト映画を聞くとアイデンティティの問いになってしまう、という話は普遍性がある。ジャンルが好きな人にこそ、何が自分にとって一番なのかは選びにくい。初対面の人にどこまでいうか、知られてない作品を上げて通ぶった感じなるのは避けたい、といった心理も働くだろう。個人的な対策はその場しのぎで言えるベストと真のベストの2つを持つことだけど、毎回忘れるので毎回その場で考えている気がする。

・地元唯一の温泉施設へ行った。自動車に乗ればよいが歩いていける距離なので徒歩。家族はやたら自動車を進めるが、移動手段のほとんどが電車の生活をしている人間のほうが車社会の人間よりも歩くハードルは低いようだ。

・値段の割に施設は狭く、日中なのも相まって露天風呂のほとんどは入浴できない状態だった。湯と光のダブル攻撃。唯一の良さはサウナの暑さだろう。裸眼の視力が酷いのでサウナには殆ど入らないが利用者の少なさでエイヤと入ってみた。たぶん普通のサウナよりも暑いのは体感でわかり、呼吸で咽頭が熱されるような感じだった。5分も入っていられなかった。ただ、水風呂の温度が高めなので勿体ないなと思った。

・風呂上がりはリクライニングチェアで『大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済』を読む。途中まで読んでいたが忘れたので最初から読み直し。面白い。

・米と交換できる米切手を各藩が発行できるのだけど、「任意の米と交換」という決まりのため保有している米よりも多くの米切手が発行できたらしい。つまりお金を自由に刷れるようなもので、自分勝手に発行されると市場が大混乱になる。それを抑制しようとする幕府の一連の政策について書かれている。

・大阪の商売人たちが米切手の取引を行っているのもあってか当事者が全員したたかというか、建前や理屈、本音、損得、道理の各要素を思案して立ち回っていて、ある種の日本らしさが感じられて面白い。取引時間の決まりなんかがあるんだけど、それを無視して夜間取引が行われていても市場が混乱しなければ別に構わないといった感じが。

・一日の取引を締める合図が火を点けた紐が燃え尽きるまで、というのは知らなかった。しかも着火してから消えるまでに取引の成立が一見もなければその日の取引全てが中止になるといった制度だったらしい。短時間で取引が成立しないということは異常な価格になっていると見なすようで、取引市場らしい仕組みがきちんとあって面白い。

・友人と電話して焼肉の買い出しへ。人数が少ないので調達する量はかなり少なめ。BBQと称して肉を買うことは何度もあるが、毎回量が分かっていない。

・友人の家へ。一人暮らしの一軒家、名義も友人のものらしく好き勝手に生活できるだろうにミニマリスト然とした内装で意外だった。オタク趣味が強いので何でもかんでもコレクトしているかと思っていたがInstagramで見るような小綺麗さだった。ウマ娘のポスターを張っているぐらい、かと思いきやR-18フィギュアの飾り付けケースがあったので安心した。

・だらだら競馬を見ながら友人たちが合流。一つしか無い着火剤を頼りに火を起こした。うちわは無いがコンプレッサーはあるので空気を噴射して炭を燃やした。

・仕事、生活、人生について語る夜だった。そんな深刻なものでないがいつものような馬鹿話が出来る仲というのはどんどん少なくなっていく。

・片付けたあとに室内でも話していたが、友人が思い出せないアニメタイトルを探す謎の時間が発生していた。物語の終盤でヒロインが「いままで楽しかったね……」的なことを言ってから主人公と分かれる結末を迎えるアニメ、というもので如何にもありそうだなぁ~~~と思いつつも具体名は挙げられなかった。最初は真面目に言い当てようとしていたが、後半からは懐かしいアニメタイトルを言い続けて遊んでいた。東京マグニチュード8.0!!!!!!って言ってた。

・車で送ってもらい、帰宅。煙たくなった体で風呂に入った。

・自室の冷房がどうやら死んだらしく、一向に温度が下がらない。窓を開けても効果はなく、自然と気温が下がるのを待ちながら扇風機の強風を受けながら寝た。