・美術館に行き、眠くなって、お酒を飲んだ日。
・朝起きると4時で寝ようとしたが寝れなかった。5時間も寝れてないが……と思いながら展示に向けて借りてきた本を布団の中で読んでた。
・コンビニに行ってカレーを買って食べた。無印良品が偏在しているのでカレーを得やすい。
・中之島へ向かう。早めに行ってそのへんでコーヒーを飲もうという魂胆。雨の中、梅田から歩いて目当てのカフェに入って読書した。
・ちくま新書の『ヴィジュアルを読みとく技術』をばばーっと読んだ。昨日から読み始めているが、目から得る情報の噛み砕き方が解剖されていてわりと良いと思う。言語化ってできる人はできる、みたいな技術で改めて学ぶことは少ない気がする。こと美術に関してはもう少し入り組んでいて前知識や文脈がいる、とかいらないとか結局どうなん?ってなってしまう。見て感じ取れることが全て!、ではあるのだけど感じ取るとは何か?という哲学的なお題目がどうしても顔を出してしまう。『ブルーピリオド』とか読んでるとだいたい分かるようなことを再学習した。
・入試の問題を例に出して解釈に正解はあるのか?という話が出ていた。解釈は無限にあるのだけど、作者が選んだ言葉の組み合わせから算出できるものにはそれなりに筋が通って他人が理解できるものだって前提がある。そのため明らかな間違いは存在する。けど美術になると「自由に見て感じることが大事」と言われることが多い気がする。たしかにそれもそうだけど、アンテナの感度は人それぞれなので粗いザルの目を掻い潜ってしまうと何も得ることは出来ない。美術においても単語の意味を知る、のようなフォーマットや記号の読み方、歴史的文脈なんかが必要で、それを経て作品の解釈が成立するよ~と言われるとまあそうだね、となった。
・実際的にはどこまでの情報を前もって知っておかないといけないのか? それが問題になるが根本的なメディアとしての「絵」の特徴をちゃんと押さえておくのが良さげだ。二次元の存在にあえて奥行きを生んだり、時間経過で変化しない媒体で~と映像や文字にない差異から特徴づけていた。
・気になったのは友人なり恋人なりとの会話が例として書かれているが、下手な村上春樹みたいというか、解説したがりのひとみたいな小っ恥ずかしさがあって会話文は概ね読み飛ばした。
・国立国際美術館へGOGOGO。横断歩道で着物の女性が信号無視をしていてちょっとびっくりした。10時開館なのだけどちょっとだけ並んだ。待ち合わせをする予定が先に並んでいたようでこういうときに合流してよいのか、かなり微妙だと思う。すぐ隣に大阪市立科学館があり、入り口付近の錯視の展示物を眺めていたせいでこうなったので良くない。
・ラーメン屋ではないので売切や席が無くなることはないが、守るべき順番のルールがその場に存在しているのでうぐぐとなった。相手はスマフォを見ていたので声をかけづらく、あらぬ方向を向いて列に並んでいた。
・電子チケットだったが受付すると紙のチケットをもらえた。イープラスだとシステム利用料とコンビニ発券料で300円くらいかかる。理解できるが納得できずに追加費用のかからないものを調べて、アソビューで買った。
・人と美術館に来たことがないのでどんなふうに見るかわからないまま入った。音声案内も貸し出していて大抵借りる。借りようとして列に並んだけど、前のほうがなにか手間取っていたので借りずにそのまま入った。結局見ている最中は話すこと無く同じスピード感で漂いながら鑑賞した。
・「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」、良かった。分かるかな~と心配していたが杞憂。わかんなくてよい、おもろいので。キュビズムは立体主義だ!くらいの解像度で全然いけた。絵画は局所的には正しいパーツなんだけどそれが一つにまとまると面で意味の分からない情報がぐわっと視界に入るのがなんとも言えずに面白かった。ピカソを始めジャコメッティやクレーといろいろ見られるのもお得。わざわざスペイン美術史をさらった意味はあんまりなかった気がするが、アンテナを開くきっかけにはなったと思う。知識を今から入れるのは遅すぎるのでアンテナを絵に向けられるように気持ちを作っていけたのは大きい気がする。正しい絵画鑑賞の態度なんかを気にしても仕方ないので、大喜利の答え同然に見ていた。キュビズムはだいたい大喜利だと思う。
・自分の知っているものに引き付けて感じ取るのは有効な手段だ。
・ほぼすべての展示が写真撮影OKとのことで、わりとどこでもパシャリパシャリと鳴っていた。私は気になったやつだけ撮った。ジャコメッティの彫像は物として面白いけど影も面白い風になっていて良かった。
・珍しく売店で買った。ステッカーが欲しかったが種類が少なくて結局栞を買った。
・見ている最中は内声として思うことが湧き出る。けど回転寿司方式に次々見ていくので発散すること無く消えていくのが勿体ない。たぶん人と見に行くのなら話しながら見るのが良いんだろうけど美術館での会話はエレベーターくらいしづらい気がする。
・見たあとは近くのイタリアンでランチした。カレーを注文してから朝もカレーだったことに気がついた。感想戦的なものをしていたが距離感やテンションのチューニングがあまり出来ていない気がする。
・食後の眠気がすごいまま解散して梅田まで歩いた。途中、ここはいつも空いているのか?って店を見つけてアメリカンを飲みながら読書した。ロビー喫茶サリダ。ジュンク堂大阪本店と同じビルに入っているようだったけどそっちはいってない。映画を見るつもりが眠気が減らないのでそのまま帰路。
・一日一食が破られたので土日はまあええかなという方針でビールを飲んだり唐揚げを食べたりしていた。自由、それはフリーダム。
・めっちゃ酒のんで明日見る映画を予約した。