・土曜出勤があると日曜日の使い方が毎回謎になる。休むにしてもなんか脳が動いている気配がする。
・オモコロウォッチを聞くとふっくらの件でストレートに触れて案外良いこと言っていた。珍しい。
・友人が良かったと言っていたので映画館へ。『パスト ライブス/再開』を見た。気まずそうで気まずくない少し気まずいシーンが多くて良かった。
・見ていて現代にブラッシュアップされた『秒速センチメートル』だなぁと思っていた。子供のころにかなり確定的に惹かれあっていたが家庭環境や人生方針によって寄り添いあわない人生を送った男女の話。秒速がそうであるように男性側が特に尾を引かれているような感触があり、本作でも男性のナイーブな感じが前面に出ていてしっとりしていた。ただしナイーブになりつつも生活や仕事がもあって人生=恋愛に傾かないようなドライさがあった。
・ひとの感想で『違国日記』を引き合いに出しているのを見かけたがかなり的を得ている気がする。登場人物がみんな自分の欲望や感情をそれなりに統制できていて、それをとらえるショットも三人称っぽさが濃い。自分がどう思うか、相手がどう感じているかを言語化できているのも『違国日記』ぽさだ。ロマンティックな話ではあるかもしれないが、生活感とも違う実利みたいなものがある感じは好きだ。
・自律しすぎていてリアリティがあるけどないような不思議な感じがする。
・Skypeの通知音が懐かしくてうわ~~~ともなった。映像的にいくらでもエモくできそうなのだけどあまりそういった記号的なものが登場しない。邦画だと予告の時点で「これはエモくしているな」って映画がいくつか思い浮かぶが本作はその感じがしない。妙に露出の暗い、いかにもフィルムっぽい荒々しい手触りだとか時代性のあるコンテンツとかが少ないのがその理由なんだろうか。
・後半からは言語、国籍、別性に波及していく部分があってA24っぽいし、今の映画だな~って思った。
・劇場を出てから梯子。『アイアンクロー』を見た。入ってから気づいたけどこっちもA24だった。A48の日。
・史実を全然知らないしプロレスを分からないなりにショックを伴って面白く見た。ロッキーやクリードみたいなものかと思っていたら全然違った。確かに試合の描写はかなり忠実に再現されているがいやに盛り上げたりはしない。なのに本当っぽい距離感で独特だった。
・後半からは特にそうだけど、数々の不幸に苛まれる家族とケビンの内面に焦点が当たる。肉体的にものすごいマッチョなのだけど、精神面では全然そんなことのないシーンが明らかに鬱的だった。今年の最初に見た『ファースト・カウ』も同じくA24だけど男性性へのアプローチというか陰影のつけ方に似たものを感じた。
・ブラザーフッド、シスターフッドとは言うものの本作は文字通りのブラザーフッド映画だった。みんな仲良いまま幸せであれ~~~!と無駄な願いを発揮したりした。そ、そんなことって……と素で落ち込む映画でもある。
・史実を描いていていくぶん脚色はあるんだろうけど映画にしかできないこと、ありえないけどこうあって欲しいと願っているだろうシーンがあってタランティーノの『ワンス~』を思い出したりした。こういう映画の使い方に弱い。
・キャストは主演のザック・エフロンから素晴らしいのだけど個人的には『マインドハンター』のホルト・マッキャラニーが好きなので嬉しかった。
・映画の客層をさほど見てないが袋のスナック菓子を食べたりスマートウォッチを漬けっぱなしでたまに光らせたり、平均年齢が高いほぼ男性だけの観客だったので妙に印象に残った。
・帰路。夜は7DtD回をやってから寝た。