20230806──おじさんしか出てこないアベンジャーズ

・『デルス・ウザーラ』見た。邦画を体系的に見ていないので黒澤明も全然見ていないが配信にないだろうと思ってレンタルで借りた。まあまあ良かった。

権利者がyoutubeで無料配信していた。

・メインとなっている話が今だとよくあるようなやつで、ちょっとオリエンタリズムみを感じてしまった。ロシア(ソ連)で黒澤明が制作したらしく、日本人は出てこない。地図作成をする軍人と漁師が出会い、友人となる物語だ。この漁師の名前がデルス・ウザーラ。軍人たちは都市に生きる文明人として森に入り、森を知り尽くしているデルス・ウザーラに感心したりする。ここがちょっと文明批判かつオリエンタリズムみを感じるところだ。

・ストーリーは展開に沿って予想されることが起こる。開発が進む森で「この木の下に友人を弔ったのだが……」と映画が始まるため、もうオチが最初にわかってしまう。楽しい場面ですらメランコリックに映り、そういう部分が文学みでもある。映像的見どころはフィルム撮影されているロシアの景色とかだ。このへんは素直にすごい。2時間半ぐらいあるのでゆったりと見る視聴態度には合った映画だ。ただフィルムからソフト化しているので色のチラつきが多少気になった。フィルムの醍醐味と言われればそうかもしれないが。

・軍人の隊長とデルス・ウザーラが仲良くなるのだけどここが結構ブロマンス的というか、友情だけでは物足りない重さがあって新鮮だった。親友というか盟友というか、心の友!がピッタリ合う関係性に描かれていた。

・昼、限定メニューを無視してマクドでダブルチーズバーガーを食べた。チーズロコモコ、ガーリックシュリンプは既存メニューの組合わせすぎて全然惹かれない。

・DVDをついでに返却して新たに借りてきた。レンタルは期限が発生するので見る動機になりやすい。

・『十三人の刺客』(リメイク版)を見返した。よかった。

・たぶん3回ぐらい見ている気がする。稲垣吾郎が常軌を逸した殿様を演じていてそこがまず良い。サイコパス、と言える気もするがそのレッテルを超える狂人なのでなおよい。立場があるので好き勝手にできることを自覚していて好き勝手するのだけど、それはそれでつまらないと思いながら過剰になっていく様子がモンスターすぎる。

・基本的におじさんしか出てこないアベンジャーズみたいなものなんだけど、いまでも活躍している俳優の若手時代、往年のベテラン俳優の身体がまだまだ動く時代が重なっていて随分豪華な映画に見えてしまう。松方弘樹の殺陣は本当にキレキレですごい。

・後半のアクションシーンはちょっと長すぎる気もするが短いよりはよい。テーマの一つに侍の生き方があるのだけど、「主のために」と「天下泰平のために」がきちんとぶつかり合って最後に決着がつくためカタルシスがある。島田(役所広司)と殿様(稲垣吾郎)が向かい合ったときに背景がちゃんと対になっていて雑でいて細かいところはちゃんとしている。

・最終的に生き残るメンツもテーマ的意味があるっぽく、ちゃんとしてる。侍が戦だ戦だ!と意義のある戦いをしていてもそれを冷やかす目線がある。伊勢谷友介が演じる山の民がことあるごとに「つまらない」「喧嘩」と言う。大悪人を倒したぞ~と気持ちよくなれる反面、つまんない喧嘩じゃねーかと冷めるようなことも言っているバランスなのも面白い。

・あと映画の冒頭に、広島長崎に原爆が投下される100年前の日本だ、との文言が出る。これに対して関係がない、意味がないといった感想が目立つのだけど個人的には良いなと思った。

・外出をしてないので銭湯に行った。爺か?

・日曜にはあまり行かず、平日の閑散とした先入観があったが普通に人が多かった。とくに小学生だろう集団が何度かやってきては場を荒らす、みたいなことが発生していて日曜日独特の後継なんだろうなと思う。

・風呂上がりに外が暑いのが嫌すぎたのでビールを飲んだ。