2019/11/14-17

11/14

朝ストランディング。
昨日、これ以上やるとBT線かなと思って止めた続きから再開。
目的地は廃モール、座礁帯を通るのでひと波乱ありそう。
結果的にはBTをやり過ごせて、ミュールとの初戦闘になった。
DS以後の世界は死に敏感だ。序盤で明らかになった死体による対消滅が死そのものへの忌避感を上乗せしている。
主人公のサムは街や都市をつなぐ配達人で、もっぱらその辺の山は原っぱで過ごすことになる。ふつう、小説であればポストアポカリプス以後の世界を描くなら人々がどんな生活を送りどういったシステムで回っているかを書くだろうが、デスストランディングはその辺が結構空白だ。
おそらく街の中は伊東計劃の『ハーモニー』のような感じになっていそうだ。
死にそうな老人や病人を死体にせずに長らえさせる医療延命システムが発達しているのかな。
人々は物理的な壁の中に閉じこもっていて会うことはできない。けれど通信は繋がっていて「いいね」を送りあっている。
あまりにも直接的な現代の鏡で、ひねりがあんまりない。
ミュールにもサムは優しくて、それなりにプレイしていても比殺傷武器しかない。あるいはステゴロのタックルで気絶を狙うのみである。

『ぼくの愛したゴウスト』を読む。

パラレルワールドと哲学的ゾンビ、それらを取り扱った小説ではあるがSF小説ではない。主人公の11歳の視点から語られるのはもっとジュブナイルよりで、大人の小難しい屁理屈話はなんだかわかんないや、で片づけられる。
SF小説を読む楽しみのうちの一つに「なるほど、分からん。」がある。理解はできないけど理屈は通っているであろう設定や筋道の独創性を楽しむことがそれで、基本的にはそれを望んでいる。『星を継ぐ者』でも『三体』でも何でもいいが。
その点からすると『ぼくの愛したゴウスト』そういう作品でない。
あくまで打海文三がそれらの要素を考え抜いて物語に落とし込んだ小説だ。
屁理屈理屈よりも、この食材をこう料理するのかーっていう驚きと面白さがメインだ。
11歳の少年の心の内をたどる小説としても面白いが、個人的には哲学的ゾンビというテーマを扱うことが自然と小説そのものへのメタになっているところも面白い。
打海文三は作品の中で「文章を書くこと」について書いていることが多い。
あるいは小説というものに自覚的で、劇中劇の導入などで自然と読者に意識づけている節がある。
本作であれば「心は無い。あるのは出力だけ」という哲学的ゾンビへの言及が小説そのものへの言及になっている。
小説はまさに出力した結果であって、その中に心は無い。文字と文字のやり取りの中に仮想的な人物を脳内に立ちあがらせて一喜一憂するのが小説だ。
そういった意図があったかどうかは不明だが、打海文三のそういったところが好きなのだ。
SF作家でなくとも、テーマについては真摯に考えた末に執筆されたことように思えてならない。そういう小説はもれなく好きだ。
打海文三なりの世界を解読したひとつの結果が『ぼくが愛したゴウスト』なのだろう。

もっとこういうタイプの小説を探そうとしたけれど、グーグル検索は質問に答えてくれない。SF小説ならありそうだ。イーガンの作品にそれらしいのがあるっぽい。そしてそれは部屋の本棚にある。まじかよ。


11/15

寒さが本格的になってきた。
『ぼくが愛したゴウスト』のラスト十数ページを読むも、時間になって出勤。
早く読みたい。
急いでいたために防寒着なしで飛び出した。
かろうじてスーツケースにももひき的タイツを押し込めたので、会社で装備した。暖かい文明最高。

仕事終わりに『ターミネーター ニュー・フェイト』へ。
T2を見直す余裕がなく、そのまま突入。
結論から言うと、注文した料理はまあ美味いけどそれより付け合せが絶品!みたいな感じだった。
アクション映画としては普通、中の中ぐらいの感じでさほど目新しさはない。
それなりに面白いレベルの映画に収まっていることを残念がるか、この塩梅でも全然良いと思えるかは分かれる気がする。個人的にはパーッと見る分にはありだった。
思わぬ収穫は女性キャストの強さを美しさだ。マッケンジー・デイヴィスはどのシーンでも最高で、リンダ・ハミルトンは登場シーンがぶち上がる。ナタリア・レイエスもかつてのサラ・コナーの立ち位置を再演する以上のキャラクターに仕上がっていて、この3人がぐいぐいと引っ張っていく力強さが良かった。
老年シュワちゃんも良い味だしていた。過去作のキャストを連れてきた結果として上々だろう。
タイムパラドクスの理屈やら、新しみのない殺人マシーンからの逃走劇、敵の設定や倒し方の不満足さ等々、決して満点とは言えない箇所は多々ある。
が、3人の女性の描き方に代表されるジェンダー的価値観のアップデートと熱演がとても良いのは間違いない。
シリーズにピリオドを打つならこれでいいのでは、という気がする。
続編やらリブートやらの話を聞いているわけではないけど、やっぱり殺人マシーンに追われる筋書は何回もやるもんじゃない。
「それなりに綺麗にまとめあげた本作で終わってた方が良かったね」と言われないようにしてほしいな。


11/17

『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』の朝9時から見る。
実写版ガルパン、と安易に言いそうになるが、結構まさにそれ。
戦車映画に新たな傑作!と言いたい。
画面いっぱいに蠢く戦車が見られるだけで、加点なのだけど、戦闘シーンの作り込み、見せ方がどれも素晴らしかった。
小学生男子のような気持ちになって、スローモーションの多用は純粋にぶち上がる演出として何回見ても飽きなかった。
戦車選の良さは当然として、登場人物のキャラの立ち方が面白さに拍車をかけていた。
主人公はもちろん、名前をあんまり覚えられない搭乗員たちにも感情移入できて、一緒に「урааааааааа!!!!!!」と叫びたくなった。
とくに後半のある展開、待ち伏せされた市街戦での一幕に泣いてしまった。
あれは泣く。そしてそのあとのさらなる展開にまたまたウラー!!!ってなった。
敵役に関しても『イングロリアス・バスターズ』以来の記憶に残るナチス将校が爆誕していた。
ビジュアルも最高だし、主人公との関係性が頂点に達するラストが本当に最高だったね。
来週で公開終了で、すでに一日一回の上映になってしまっているのが惜しい。
調べるとIMAX版だとカットシーンが盛り込まれているらしく、超見たい。
言われてみれば、説明不足なシーンや一見よくわからない場面があったので納得だ。話の筋には直接的に関係しないので脳内補足で事足りていたのだけど、わりかし大事なところが足されているっぽい。

『ブライトバーン 恐怖の拡散者』を見た。
予告や評判からすると肩すかし感があった。
いわゆるスーパーマンの逆を行く作品という触れ込みなのだけど、それ以上ではなかった。
ホラー的な要素も基本的にはビックリ系で、本質的な人の怖さや奇妙な子どもの怖さは少なかった。
予想外だったのはグロ描写で、子役が出ているはずなのにかなりストレートで痛い描写が続いた。
作品的にこれ一本!といったメッセージはあまり感じられず。
親の視点から、子どもが邪悪だった。あるいは自分は実は根本的に邪悪である、といった混乱と気づきを楽しむ映画なのだろうけど、どっちつかずでノリ切れなかったかな。

『麻衣の虫ぐらし』を読んだ。
『本好きの下剋上』のコミック版を読んでweb版をもりもり読んでいる。
『デス・ストランディング』は杉田が出来た。すべりちらかしている。

コメントを残す