・5時頃に起きたので諦めて布団から出た。日記を書く。コーヒーを2杯飲んだ。
・『ライフ・イズ・ビューティフル』を見た。自分には合わんなぁ~っとなった。
・ホロコースト映画特集の一環で見たのだけど中でも毛色が違う。前半がほぼコメディで展開してから後半のシリアスさとの綯い交ぜで観客を変なところに連れて行く映画だった。コメディ部分に意味ある構造なんだけどそこがあんまり好きでないので我慢して見ちゃった。
・主人公グイドがあまりにも吉本新喜劇を地で行くキャラクターなのがなんか辛かった。これはコメディ的世界だから成立しているのであってリアリティラインはあんまり気にしなくてよいのだけど珍しく映画で苦手とするキャラクターを見た気がする。基本的にグイドの言動を受け入れる世界がそこで描かれている。この都合の良さと居心地の良さを感じさせて落とすのが映画の手法なんだろうけど、かなり自分勝手にキャラが動いているのでなんか嫌に感じた。
・この映画ではグイドのユーモアがホロコーストすらを飲み込もうとしていく。けれど結局はそうならない。そこにカタルシスが込められている。本作ではあまりにも大きな現実に対抗する手段としてのユーモアが立派に描かれているのだけどそこがあまりピンときていない。主人公に優しい世界であること、後半ではそれがひっくり返されることで作劇の釣り合いが取れているのだろうけど作為!になりすぎる。
・映画の冒頭で意図せずナチス式敬礼をやっちゃうギャグですごい。
・あとたんに子供にウソを付くことが良いことだと思えないのもある。子どものために道化を演じることが善いと描かれているがそこに納得いっていない。後半は周りにいる人達の反応も乏しくてめちゃくちゃブチギレたりグイドの言動で窮地に立ってしまった人もいるだろうに、とすごく気になってしまった。
・ユーモアの良さを描いていると言うよりユーモアですら多い隠せないモノ、ユーモアの限界も同時に示している映画のような気がする。ユーモアはただ面白おかしい有用性があるではなく何かを覆い隠す機能がある。後半は特にユーモアで覆い隠そうとするチカラが炸裂しているがそれが痛々しく見ていられない。感動の名作との評判だけど思いの外に底意地が悪い映画だと思う。
・でもなんだかんだ言いつつざわざわしつつ感動してしまう部分はあった。それはやっぱりユーモアのどうにもならなさ、だと思う。あと予習と復習のフリが効いていて『夜と霧』で見た場面っぽいな~とホロコースト描写には寒いもの感じた。
・ユーモアで厳しい現実に適応していく!って観点だと今は断然ジョーカーが先に来てしまう。時代の空気感なのか、個人的志向なのかユーモアの生存戦略は断然ジョーカーのほうがリアリティを感じる。
・ジョーカーの場合は道化を演じるのだけどそもそも笑ってくれる観客がいない問題がある。グイドの世界は優しいので観客は多い。ゴッサム・シティは激烈なので観客はいない。なんかそんな事を考えた。
・続いて『サウルの息子』を見た。公開当時に劇場で見て衝撃を受けたが家で落ち着いて鑑賞すると再体験とまではいかなかった。やっぱり乗り切れない部分が目立つ。
・サウルが特定の動機で行動しまくるので感情移入が全然できない映画だ。当時もそれは思っていたが背中を追いかけるカメラワークや劇場の臨場感で気にしなかったんだろうな。いまだとエヴァQのシンジ君ばりに置いていかれた気分になった。
・それでも画面が起こっているだろう映されないそれらの存在感は唯一無二だ。ラスト近くのサウルの顔がすごいがオチも含めて嫌~な映画だ。
・映画を予約して外へ。灼熱なのでサンバリアを指した。インドの犬映画『チャーリー』を見た。映画の終わりに拍手が起きていた。
・家族を失った独身の仕事人間が犬と暮らすようになって人間性を取り戻していく話。なんとも感動的な建付けだけど実際そんな感じ。劇場の反応がわりかし素直だったが上映時間(164分)を見ていなかったので長ぇ~~~~と感じていた。たぶんもっとスマートに切り詰めても成立する映画なんだろうけど上映時間分だけ犬の可愛さが持続する。そのためにこんだけ長いのだと思う。本国では休憩を挟むタイプの映画。さすがに冗長な部分が気になったので拍手する気分にはならなかった。
・基本的には犬を飼うと体験する100のこと、みたいな描写が連発するので犬を買うシミュレーションのような心地になった。子犬時代がすぐに過ぎて成犬になるところとか、ストーリーの設定に合わせて保護犬を飼うことを推奨するテロップが映画の最後に出たりだとか好感を持つところは多い。
・インド映画らしさはさほどなく、主人公が妙に喧嘩が強くてぶん殴った人が吹っ飛ぶとかはそれらしかった。あと踊りはしないまでもミュージカルぐらい頻繁にシーンに合わせた歌詞の曲が流れる。
・良いところ、犬の表情が豊か。今にも泣き出しそうな顔や飛び切りの笑顔といった犬の表情がずばずば出てくるのがすごい。やや人過ぎる気もするがチャーリーが人語を発するわけではないので許容。
・それとエンディングでなぜかオルゴールバージョンの『君をのせて』(ラピュタの曲)が流れ出して不思議だった。
・ドーナツを買って帰宅。食べ終わったら電話が来てキャンセルが出たので散髪を早められるとのこと。せっかくなのですぐさま行って切ってもらった。夏なので短くとオーダー。バリカンいれる?って聞かれたけど断った。
・さっぱりして買い物。ビールを飼う。麻婆チャーハンを錬成した。
・思い出して『鬼滅の刃 柱稽古編』を8話分見終わった。途中記憶にないシーンがあったけどアニオリらしかった。産屋敷邸がお釈迦になるシーン、スローで始まるのが良い。次作は3部作らしくたぶん最後を見るのは2027年とかになっていそう。
・日付を超えて寝た。