20231224──ダイブもモッシュも禁止の張り紙

・7時ごろに起きた。コンビニへ行き朝食を調達。クリスマスなので普段は見ない商品が仕入れられていた。1000円を超えるピザやローストビーフが並んでいた。

・今日のイベントが一つ決まっているので出かけるついでの用事をもう一つ作った。それまでは日記を更新したり、ゆるコンピュータ科学ラジオを見ていたりした。

・時間が来たので電車へ。難波まで。結構みんなマスクしてなくない?『TalkTo Me』見た。想像と違って結構ちゃんとした心霊映画だった。

・広告の打ち方がyoutube出身のクリエイターが放つ!みたいな目新しさがあったと思うが映画自体は地に足がついた感じだった。あんまりトリッキーで変なことはしていない。珍しいぐらいに人の心がテーマの中心になっていて、まさしく「心」霊の映画だ。

・年に数度しか来ない劇場で見たが、久しぶりに両隣の席が埋まっていた。左に若い男性3人組、右に若い女性2人組、両方ともポップコーンを食べていて上映開始までなんやかんやと会話していた。男性組が身内ノリでチョケて笑う、といった外から見ると全く面白くないやつを閉鎖空間で長いことやっていて辟易した。外の視線が全くない閉じた世界、隣に他人がいるけどいないことになっている感じの断絶さが物珍しかった。自分がモブになっているな~~って経験をしたな。

・映画が始まっても喋っていたので心配だった。どんなに小声でも人の耳は意外と感度が良いのでキャッチしてしまう。「やばっ」とか思っても言う必要はないのだけど、グループ内でのコミュニケーションとして言っている感じがある。おそらく一人だと言わないんだろうなっていう。

・それでも映画が進行したら神妙に静かになっていた。驚くところで驚いたりしていて、とくに女性組のほうはリアクションが大きくて周辺視野に入っていた。ホラー映画を劇場で見る醍醐味みたいなものは確かにあった。

・映画は設定を上手いこと展開していて良いところもあった。なんか既視感があると思ったのは今年の邦画ホラー『禁じられた遊び』だ。おおむね似たようなロジックの仕掛けだったが断然本作の方が上手に利用していたと思う。

・心霊映画、だと言えるのはオカルティックな現象が起こってはいるが全部人の心が巻き起こしているからだ。主人子の抱える葛藤やトラウマがかなりジメっと湿度高く描写される。全然カラッとしてないが、最後にはキレがある。良いオチだ。

・ただ、最後の解決のロジックがいまいち分かりにくい。伏線として言及している現象を上手いこと使っていると思うのだけど、それで人が救えているのかあんまりよく分からなかった。例えば、ライリーの手を握って霊を移動させた、とかやりようはあった気がする。中だるみも若干あり、これどうすんの?って見ながら思っていた。あんまり状況を打開できる解決策に見えないままそっちに進んでいくので気になってしまった。

・母親の死亡理由が主人公のわだかまりになっているが、そのあたりも分かるけど……分かりづらいかも!と思ってしまった。

・父親の扱いが結構ひどいというか、全体的に悲劇に流れ込んでいくので仕方ないがギミック死すぎる。それと序盤に父親らしき人物と主人公が会話するがなぜか父親がはっきりと映らないようになっていた。ぼやけているときの肌の色が白人っぽくて、入り組んだ家庭環境なのかと想像していたら全然そうで無かった。無かったが「あれは父親じゃない!」とかいう展開があったので、もしかしてものすごい叙述トリック的な演出か?と思ったがそれも全然そうでなかった。気のせいか?

・エンディングクレジットをぼんやりみていたら文字にもなっていない白いもじゃもじゃがあって気になった。気のせいか?

・劇場を出る。直後、観客の夫婦連れ、男性が馬券に当たった旨を興奮気味に話していて「なんやねんこいつ」という雰囲気を感じた。

・昼食が軽かったので早めに夕飯。ビリヤニ目当てで店に行くもメニューがない。尋ねると売り切れらしかった。残念がってフィッシュカレーの中辛を食べた。中辛でも結構辛かったがパクパク食べた。

・ライブまで時間があるのでドトール。クリスマスイブのドトールにいるやつ、少ない。ワンオペをしているらしく、出入り口の音をトリガーに店員がカウンター前をチェックするといった運用がされていた。逆に忙しそう。

・時間が来たのでライブ会場へ。Yogibo METAVALLEY。缶ビールを得てKindleで時間をつぶして待つ。会場は横に広く、両脇に柱が立っている。南海電鉄の真下にあるので電車の音が定期的に聞こえる。

・tha blue herbとbachoのツーマンライブ。先行はtbhrだった。

・tha blueherb、1時間ほどののライブセットながらMCを挟みつつ思ったよりがっつりtbhrだ!となれた。MCてチバユウスケへの追悼を述べてから曲に入っていくのにグッと来ざるを得ない。

・後半はbacho、さっきまでは真ん中の方で聞いていたが結構暑かったので出入り口付近に移動した。これは正解だった。前情報を全然入れていなかったが1曲目からリフト、クラウドサーフが最前列で始まるほどの盛り上がりですごかった。

・おそらくライブハウスでバンドのライブを聞くのは初めてかもしれない(すんごい昔に友人が出るバンドライブを地元で見たけど)。日本語ラップのライブばかりだったでその文化の違いがめちゃくちゃ新鮮だった。日本語ラップでリフトやダイブはまず起こらないので(起こるだろうけどイケイケの若手、ファンも若いといった条件付きだろう)、それが頻発していてびっくりした。

・当然、観客は音楽で盛り上がっているが盛り上がるために音楽があるといった側面もあり、自分の範疇にない感じだ!とライブを見ながら考える時間になっていた。暴力的なエネルギーを発散させる役割をライブが担っているらしいことを、なんとなく体感させられた。

・というかストレス発散に音楽ライブに行く、という文言の意味をちゃんと理解したかもしれない。

・日本でのジャンル的なパイは日本語ラップよりJロックの方が断然大きいことは知っていたが、それがこうも如実に現れるんだ~とも思わされた。自分が行く範囲での日本語ラップライブが盛り上がったとてこうはならないのに、チケットがソールドアウトしてないHipHopグループとの対バンでさえこうなるんだ!と。我を忘れる熱狂がそこにあって、ロック音楽で凄いのかもしれないと今更ながら思わされた。この先にもっと観客を盛り上げるバンドは無数にいるんでしょ?すごすぎる。

・自分の音楽趣味がニッチだとはあんまり捉えていなかったが、本当にロックとかギターサウンドとかがマスなんだーとも思った。普段はDJとラッパーという組み合わせを聞くことが多いので、楽器って実は凄いんだ!ていうアホみたいな感想も抱いた。

・一聴してtbhrとの違いが明確だったのもその要因で、BOSSはMCでもメッセージをがんがん放っていたし、「おまえもやれよ!」という圧がある。悪く言えば説教臭いのだけど、そういうものがほとんどないギャップにも驚きがあった。というかBOSSのやっていることの特異さというか、一人称なHiphopの音楽性って極端さが際立って見えた。その中でもBOSSのメッセージ性は群を抜いているのだけど。

・Hiphopではb-boyおよびb-girlという単語がある。歌詞の都合上、前者だけを言うことはそれなりにある。BOSSはそこを意識しているのかライブでは「LGBTQ」も肯定するように呼び掛ける。そういうラッパーは少ないと思うし、ガザやパレスチナにも言及する。そういうところが今日はとくに際立って見えた。

・ライブ中はリフトからのクラウドサーフは10回以上もあったし、ダイブは3度ほどされていた。しかも男女分け隔てなく担がれ、客席に飛び込んでいた。すげ。

・なんかみんなすごい元気なんだなって思った。自分があれに参加している様子は想像できない。ロックのファンは元気だ。

・bachoは音源と全然違う印象を持った。spotifyで何気なく聞いたときはピンと来なかったがライブで聞くと全然違う。エネルギーが爆発してた。あと単純に演奏が上手い。曲の構成やリズムが変則的で、サビのパワーもあるけどリズムの転換とか曲間の繋ぎに「すご~」ってなった。

・出入り口付近にいたので自然と人の動きを見ていた。途中、見覚えのある人が前を横切ったな~と思っていたが、さっきまで目の前でラップしてたtbhrのBOSSだったことに気づいてテンション上がった。

・時間が遅くなったので途中で帰ろうと考えたがせっかくだし最後までいることに。終わったかな~と思うとアンコールがあり見ていると、BOSSがステージに上がっていた。そこでようやくあの曲のサビでサンプリングされている歌詞がbachoだったのか!と気づいた。遅すぎ。

・ラストはその曲を全員で大合唱して幸福ってこれかもしれんな~~って雰囲気に包まれていた。曲終わりでサビをもう1回!という進行が上手いこと共有されてなくて1回本当に曲が終わってしまう、というのも現場ならではっぽくてウケつつ、再度シンガロングで終わっていった。

・単にtbhrのライブが見たい~で来たがロック音楽の性質についても学びを得るという予想外の日になった。日本語ラップとロックファンって全然違うんだーなと。慣れているっていうのあるが、どっちのファンが怖そうに思うかと問われたら「ロックファン」といまは答える。ああいった破壊的なパワーを表現する方法ありなんだ、しかもそれが一般的なんだ~って文化凄すぎる。

・しかも今日に限って言えば盛り上がりすぎてか一瞬喧嘩のようになっていたしな。bachoのボーカルが喧嘩しないように注意していて「こわっ」と思ったのだった。

・ダイブとかも初めて見たのでその文化も不思議だなーといろいろ考えた。おそらく観客の間にそういう共通認識があって、信頼や協力関係がないと成り立たないはずだ。そういうところの身内感というか一体感がその場にはあって、それを生むロックはずいぶん強力な音楽だ。

・ダイブもモッシュも禁止の張り紙があり、最前列にはそれを止めに行くスタッフもいた。チケットのもぎりをしていた男性だったのだけど、ライブ中によく見るとその男性もサビを歌ったり控えめながらライブを楽しんでいた。けど一度クラウドサーフが始まると止める立場に変わらないといけない。それを観客も分かっていて、でもやる。それを止めに入る。が繰り返されていた。

・これはパチンコの三点方式に似ているかもしれない。ダイブを禁止するライブハウス、ダイブしたい観客、盛り上げたい演者。それぞれがしてはいけないことを分かっていながらも奇妙に連帯しあっている。本音と建前の実践がそこにあった気がした。

・帰路、寒すぎるし時間が遅いので急ぎ足。家に着いたら23時を超えていた。お腹が減ったのでコンビニでパスタとビールを得ていたが制御がきがずに飲み食いした。ゆる学徒フェスのアーカイブを見てから寝た。