・本日の動き、映画を3本見た、カレーを食べた、スーパー銭湯に行った。
・『イノセンツ』、北欧ホラー。宣伝で『ミッドサマー』『LAMB』の名前が出たりするが別にA24制作ではない感じ。あと漫画『童夢』が挙げられていて映画の感想もそれが出てきがち。読んでないのに童夢童夢言われててやや面倒くさい。
・良くなさが良かった。少年少女サイキック覚醒モノと言えるけど青春とは程遠い。夏休みの団地だけが舞台で、それぞれの家族にある閉塞感が少年少女を追い詰めている。それに気づくか気づかないうちに超常パワーが発露する。おもに4人の子供たちが描かれるがスカッと明るいところは微塵もほとんど無く、なかでも猫が死ぬ(殺される)場面を珍しくど真ん中で描いていてすげ~~~嫌な気持ちになった。
・全体的に温度が低い。『ストレンジャーシングス』でも『クロニクル』でもいいけど、超能力と青春がかけ合わさって事態がコントロールできなくなるような作品は多く、ジュブナイルと超能力の相性も良い。それらに比べるとそもそも友達がいない子供同士が何となく繋がっていく様子は正反対に映る。友達にではあるがどこか全員が所在なさげだ。
・映像面で超能力の派手さはあんまりないが、それゆえに最後の対決シーンのフレッシュさはすごかった。あんな場面は見たことないかも。
・子役が主演でもあり助演でもある部分は素直によく出来ている。意図しなかったが今日見た映画3本とも子役が良い演技をしているものばかりだった。とくに本作はキャスティングも多様性なんてワードを気にせずに、社会がそうなのでこう、といった感じがあった。みんな表情が良い。あと精神科医の名越先生が体癖診断をしたら序盤でその後の展開を全部言い当てそうな感じがあった。
・猫が酷く死ぬのでひとにはあんまり勧められないかも。
・昼はカレーを食べた。エリックサウスはグランフロントと西天満にあるが、後者は最寄り駅がほぼ無いので夏場は人が少ないのかも。カレープレートの三種、ライスを朝食抜きだったのでお替りして腹八分になった。
・『怪物』見た。良かったけどこういう脚本ってだるいな~~~って思った。すべてがちゃんとしていて粗がなく、誤読の可能性が限りなく低い。観客を特定の方向に導く力が強く、深い洞察や表面的でない感情を体験させる機能に特化しまくっている。脚本もだし演出演技音楽撮影編集、全部がピタッと合わさっている。すごい。
・そういう凄さはわかりつつも、出来事や人物の多面性をこれでもかと見せる構造にはダルさを感じてしまった。おおむね伏線回収に近い面白さ(回収自体も劇中にある)だと思っているが、伏線を回収するには伏線を張らねばならず、回収するために伏線を張っている映画も世の中にはある。本作はどっちとも言えないが、回収の上手さに早い段階から気づかされると普段は無視できている映画の作り物感が湧いて出てきてしまい、観賞中はずっと心のうちに滞留していた。どこまでも上手い映画なんだけど、良い「作り物」だな~~と思ってしまう。
・そういうごく当たり前の、映画とは何かみたいなことも考えさせる力がある、と言えなくもないが考えすぎかもしれない。
・どの俳優も好演なのに違いないが、個人的には子役二人(黒川想矢、柊木陽太)、校長先生の田中裕子が光っていた。
・前情報のなさでいえば『君たちはどう生きるか』ぐらい何も知らずに見たので素朴にそういう話だったんだ~と思った。
・クィア、LGBTQ+他マイノリティ的なテーマを含んでいるか否か、またそれを認めるかみたいな話はあったが監督の言わんとしてることは何となくわかった。恋愛とは微妙に言えないし、愛とは言えそうだが当人たちがそういう一般的な愛的感情だと認識しているようには見えず、如何せん当事者が子供なのでそもそもその辺が未分類な感情を描いているのだなと思った。当人たちが整理できていないし、それを無理くり整理して理解する大人(父親の中村獅童)や無意識な規範で囲おうとする大人(男らしさを繰り返す永山瑛太、テレビ番組)の暴力性だったり無思考こそに気づけや!みたいな側面もある。ので、そういう楽なカテゴライズとかせずに見てください、という意味合いなんだろう。あとは普通にネタバレに近しいので「先入観」がキーになる映画だからこそ「先入観」なく見てほしいってのもあるんだろうか。
・この手の問答は難しく、だいたい相互に理解しあえてない印象が強い。似たような悪い例だとBLM(Black lives matter)に対してALM(All lives matter)がぶつけられていた。これは前者が出てきた文脈を一切無視してワードのみに対抗しようとしていて意味を成してない。個別の特殊性を普遍性で掻き消そうとすると試みは暴力的とも言えるが、特殊性の中に普遍性を見出す営みがフィクション全般に通じることだと思うのでこういう問答もあんまり成立してない気がする。普遍か特殊かはループしていて「全は一、一は全」みたいな感じになってしまう。
・特殊だ!普遍だ!のカテゴライズには同じ力が働いている。
・名前のついていない関係って言いたくなるのもわかるし実際そういう描写なのだけど、「名前のついていない」という名付けが成立してしまうので逆に特殊性が際立ってしまう。ノーコメントというコメントやnon titleというタイトルがある。
・事態としてはあんまり何も解決していないし解決しなさそうなので結構つらい部分は残る。
・見ていて妙に印象に残ったシーンがあって、秘密基地となった車両の窓を内側から撮ったショットだ。泥にまみれてそれを掻き分け、雨粒が泥を弾く映像がなんかすごい良かった。
・『ヴァチカンのエクソシスト』、見たいものは見れたので良かった。だいたい「水曜どうでしょうヴァチカン編 夏の悪魔祓いスペシャル」って感じであった。
・主演のラッセル・クロウが原付で移動しているってシーンがネタになっているが、ヴァチカンからスペインに移動しているようなので結構マジで水どうなのかもしれない。そういうインターネットのノリになぜか本作のプロデューサーがX(ちゃんと名称を変えた)内で付いてきており、日本語のファンアートをいいねしたりしている。私のツイートもいいねされていた。すごい。
・いい塩梅でB級っぽさを楽しむところが大きいが、ストーリーのポイントでちょっとどうかと思う点があった。実は魔女狩りが~と驚きの事実っぽいものを明らかにする場面がって、フィクションだとしてもそういうことにするのは駄目じゃない?って思った。実在の人物をモデルにしているので、本当の悪魔こわ!!!!!みたいに はしゃぎたいのだけどその部分を引っ掛かりすぎて無邪気に言えない。
・2作目があるのか知らないが連載になりそうな読切って感じがして全然ありだった。
・映画を3本見たのでスーパー銭湯で疲れをとった。1時間半くらい居たかも。近いけどあんまり行かない場所だったが露店は風が入り込むので良かった。
・行動力をフル活用して回復までたどり着いたのでいい土曜日になった。
・寄り道で見た試し書きの例。