・返却期限が迫っている、の理由で『Dolls』を見た。北野武監督作品を見る、も終わりが見えてきた。
・あんまりピンと来なかった、という印象になった。恋愛映画ではあるっぽいのだけどいつもの通りに多くを語らない映画なので感情移入のしやすさとかはない。タイトルの通りに人形劇からメインとなる西島秀俊と菅野美穂の二人組にシフトしていく部分はなんか面白さがあるんだろうけど、元ネタを知らないので意味深さだけを受け取った。
・三組の恋愛に関する群像劇になるが、基本的に男の側が身勝手さで事態がややこしくなっている。結果だけを見るとバッドエンドばかりでどれも男側に起因している。そういう身勝手の良くなさを描いていると言い切るには分かりにくいし、そこを断罪するようなテンションではない。けれど映像的な不思議さ/不可解さを残しつつ「なんか良い話」に落ち着いていて、それ自体は結構凄いのかもしれない。そう思う反面、やっぱ分かりづれぇ~~~が濃い。
・前日に見た『福田村事件』も結構色恋が語られていて、普通に語るとこれぐらいのセリフ量だったり登場人物が感情を見せたりするよな~と北野武作品の変わった点をより意識したかも。
・それと映画の中に障害者が何気なく登場する点においては進んでいると思う。本作も菅野美穂が心神喪失/幼児退行のような症状を演じたり、車椅子の役者(ホーキング青山、いまは古開院亭大麻らしい。コカインテイタイマ、すごい名前だ)が出演していたり。過去作を通じてそのあたりは良いが、男女の関係性は古臭いのでアンバランスさがある。
・深田恭子がアイドル役として出演しているが、その気怠さはいまのアイドル像と全く違っていた。『パーフェクトブルー』も記憶に新しいので「なんかすごっ」となった。深田恭子をそれほど知らないのでこれが当時の需要のされ方としてあっているのかも不明。歌って踊ってのアイドルではなさそうではあるが、タイトルのDoll(人形)的な皮肉だとしたら意味のある演出なんだろうな。
・電車に飛び乗った。ダイヤの乱れを掻い潜って友人宅へ。
・しばらく前に決めていた映画を見る会をやった。体調がやや悪いらしいがエイヤと『トゥルー・ロマンス』を見た。良かった。
・タランティーノ脚本ってことで見ることになったが、めちゃくちゃタランティーノ作品だった。全体的なパッケージングはラブロマンスっぽいが、中身はいつものタランティーノだ。銃、暴力、セックス、ドラッグ、全部ある。
・ラブロマンスっぽい二人だけの世界とドラッグを巡るギャングの世界を行ったり来たりする温冷交互浴みたいな変わった映画だ。メインテーマが気の抜ける雰囲気で、『ドンキーコング64』っぽさを感じる。クレジットを見返すと音楽はハンス・ジマーとなっていてビックリする。アレを?
・主人公がオタクで、ソニー千葉が好きだったりアメコミが好きだったりとタランティーノ本人がチラつく感じなのも今見ると興味深い。このあと映画史に残る映画を作るだよな~~。
・映画を見終わって妙に時間が余ったので『ちいかわ』のアニメを見たりしていた。アニメが色々食べてばっかりなのは最初期の原作のまんまな気がする。
・シャインマスカットが大量にあってパクパク食べていたらお腹がグルグルと鳴っていた。
・お体お大事に!と言って電車に乗り込んだ。本町へ向かう。途中、コンビニでおにぎりとタバコをゲットした。なんとなく数か月ぶりに喫煙することにした。理由はない。
・小林大吾とタケウチカズタケ『アグローと夜』@マザーポップコーン。良かった。アグロー案内をしっかり追っているわけでなく付け焼き刃的に聞いたりしていたが、過去曲も含まれているので問題なかった。小林大吾のライブは2018年ぶり、タケウチカズタケは2020年ぶりだった。
・ライブはトークを挟む構成で、Rhymesterばりに話す時間が多かった。もちろんそれらは制作の裏話であるが、そもそも語られていない名探偵山本の由来がたっぷり語られたりしたので笑いながら聞いた。序盤のほうでこそ歌詞をトバしていたが、ライブ数が少ないがゆえにそれこそもライブっぽさだなーとレアな気持ちだった。
・始まりは紙芝居、そこから処方箋、話咲く種をまく男、ジャグリング、棘、などなどが聞けた。
・稀な機会なのに30人もいないライブ会場なのが勿体なすぎる。
・ライブ終わりに話しかけるのもなんか恥ずかしいのでささっと帰ったのだけど帰り際にタケウチカズタケとすれ違い、良かったの意を早口でしか伝えられなかったのは悔やまれるかも。握手ぐらいすれば良かった。
・ビールを2杯飲んだだけなのに久々の喫煙が影響してか、帰路は結構きつかった。最寄り駅を降りる頃には気分は戻っていた。せっかくなのでと野菜ジュースを飲みながらまた喫煙してから寝た。