20240609──オムライスに紅生姜

・寝てやろうと意気込んで9時前に起きる。オモコロウォッチを聞く。ニュースでもなんでもねぇや。

・食べすぎたものの体重に変化なし。二日ぐらい遅れて反映されるのでそれが怖いな。今日も出かける用事があるので朝食兼昼食を軽く押さえる作戦。コンビニでサンドイッチとモンエナを買う。

・ビッグランをやる。やっぱり楽しい。

・昼過ぎに無料配信している黒沢清の『回路』を見た。怖いけどなんか凄いところまで行くな~ってなった。

・ホラー映画ではあるしその話をずっとしているがラストで終末までいってしまう。すごい。

・最近はモキュメンタリーなテレビ番組だったり映画が流行っているけれど本当っぽいそういうもの(映像)の原点な感じがした。恐怖の対象がインターネット、知らない間に世界とつながることができる技術で「都市伝説かよ」と牧歌的な冷めもあるが根本的に異常な技術の異常さを見つめていると思う。

・知らんけど『リング』とかもそういうものだと聞いた。インターネットウイルスの無限の自己増殖が見立てられていると。本作だと「開かれる」ことと「閉じる」ことが対のようになっていてこの見立ては本質的で、今のインターネットにも適用できる。SNSは開かれているが閉じている。チープかもしれないけど面白い見方に感じる。

・映画としてはその当時の年代感が映っているのが面白い。Y2Kというか服装一つとってもちょっと前の日本だ!って思える。役者もそうだけど役所広司はいつも役所広司だ。加藤清彦、小雪のタッグは強い。

・ブラウン管、VHSみたいな画質の粗さゆえの怖さもあるが見せ方の妙味みたいなものが詰まっている。個人的には最初に開かれたあかずの間で、向こう側からハイヒールを履いた女性が歩いてくるシーンがすごく良かった。一瞬コケそうになる場面。そこで姿勢を崩そうとは普通思わないので偶然にしろ意図にしろ、非実在の存在なのにコケそうになることの奇妙さが瞬時に来る。『ホラーの哲学』では恐怖の対象はカテゴライズの難しさと言っていたけど(人間だけど人間じゃない)、まさにその感じで驚いた。

・ただ結構ぼんやりしてみていたのでどういう理屈と展開によって終盤までたどり着いているのかはよく分かっていない。なぜか女性がよくノースリーブを着ているなって印象は持った。加藤清彦が文系のぼんやりした学生で理系の先輩である小雪に惹かれて~みたいなところはちょっとしょうもないなと思った。てか結構すぐ呼び捨てにするな?と驚いた。そんな仲にすぐなれるんね。

・こうも暗い映画なのにエンディング曲がそれなんだ!?てのにも驚いた。

・映画を見ていたら出かける時間が迫っていた。折りたたみ傘をチョイスして家を出る。地下鉄を乗り継ぐ。夕飯代わりにオムライスを食べた。北極星はオムライスに紅生姜を添えるので面白い。

・食べていると聞き馴染みのある声が入店してきた。まさかと思ってちらりと見るとこの後行くライブの演者だった。いま更新されているThree the Hardwareの3人+Parkgolfという組み合わせでパ音がひとり欠けているのもそれっぽかった。挨拶するのも変なので普通に会計して会場へ行った。ここは唐揚げが美味しい、みたいなことを言ってた気がする。

・タイムテーブルを見てなかったので開演の時間を知らずにいた。17時開場だったらしく並んで待った。整理番号は5だったがそういうのは関係ないらしい。同じ列に並んでいる人たちも同じようなことを言っていた。

・Paperkraft→Acidclank→in the blue shirt→Parkgolf→Metome→パソコン音楽クラブ→tofubeats、という流れ。

・Paperkraft、たぶん前にもDJを聞いた気がする。オープンで十分に会場を暖めていた。選曲の音色になんか特徴があるのだけど詳しくないのでジャンルを言い当てられないもどかしさを覚えた。演者の関係者なのか知らないがクラブには珍しくぱっと見後期高齢者前後の人がいて踊っていたのが良かった。

・Acidclank、完全に初見。長めのイントロから音が多層的になっていくのにテンションがチューニングされた。尖ったハイハットが耳に刺さる。ドラムが入ると途端に音楽像が把握しやすくなる発見があった。モジュラーシンセとバンドセットというあんまり見たことない形態だったけど途中は完全にバンド体制になっていた。かっこよい!って瞬間が何度もあってラストのソロ弾きっぷりと締め方が最高だった。

・in the blue shirt、自曲も流すDJセットで盛り上がる。flying between starsが流れたらそりゃ盛り上がる。DJ自身が音楽にアガっているとこちらもアガるなと思った。DJもアクターだ。ほぼDJブースを真横から見ていたが空きスペースのどこまで入っていいのか分からないまま聞いていた。boiler roomみてぇになったら多分ダメだろうなって。ブース横のスピーカーがかなり揺れていた。

・Parkgolf、曲は聞くけどライブは初見。リズムと音色がうち乱れてスリリングで面白い。途中まで見ていたけどこのままではオワるなと思ってビールを買ってロビーに避難。パ音(西山さん)がソファから立ち上がったので入れ替わりで座って休憩。よく見たら演者が周りにいてtofubeatsとin the blue shirtsが目の前で雑談していた。それを視界に入れながらインターネットを見ていた。

・Metome、ビールを飲みほしてフロアに戻る。体力を温存するためにハイボールを片手にKindleを開いてDJを聞く。100で音楽を聴くと疲れすぎるので脳を別のことに使っておこうという貧乏性のなせる業。自由意思に関する本を積んでいたので序盤を読んでいた。読んでいたけど好みのリズムが連発し、スネアの鳴りが最高で何度も意識がそっちに向かった。ちゃんと聞けばよかったな。

・パソコン音楽クラブ、前のほうに行って踊った。なんかいつも前のほうに行くも行き過ぎることができないのでトイレ周辺にいがち。ライブ中も10人以上はトイレに向かっていたがその都度ひとを通すといった感じだった。それはそういうものなので気にせず踊っていたので迷惑がられたかもしれない。ライブはThe Hair Kidが参加して盛り上がった。始まる前にフロアで見かけていたので「あの曲やるんだな」と気が付いてはいた。新曲もお披露目していてほぇ~となった。

・tofubeats、ラストのDJ。もちろん自曲もかけるがEdit?や抜き差しでストレートに盛り上がる。大合唱も楽しいDJだった。いちばん声出てた。

・これで一応演者は出きったのだけど余興的にDJの数珠繋ぎ(B2B)をやる流れになったところで会場を出た。17時に開場して22時半を過ぎていた。こうやって書くと長いな。水星で終わるのか!?と気になっていたがこれ以上は終電近くなってしまう。帰る人はちらほらいた。しゃあなし最後まで見届けずに傘をさして帰路。寄り道しておにぎりと朝食を買う。タバコを吸ってみるか~と夕方に思っていたがフロアで副流煙を嗅いでいるとその気持ちは消えた。シャワーで匂いを落として布団へ。日付は変わっており脚が疲れ切っていたが案外寝つきが悪かった。