・早寝は功を奏せず、5時ごろに起きたりした。二度寝には成功した。といっても時間が早いので朝食も食べずに外へ。
・映画館でおさつスティックとアイスコーヒーを買う。この二つのカップで両手がふさがるのでスクリーンに入るのに難儀した。『バティモン5 望まれざる者』を見た。よかった。
・フランスの移民を主人公に、団地に住む人々が建て替え計画で追い出される様を描いている。移民が生活することの大変さとお役所仕事の対立が全面化されていてわりと辛い感じになった。
・建て替え計画を進める行政側を市長や移民に融和的な副市長とともに描いている。あまりフランス事情に詳しくないのでこの辺を違和感なく見ていたが、こと移民に関しては市長レベルの権限ではどうにもできない事柄なので変って指摘を読んで確かにな~となった。
・全体的にどうしようもなさが蔓延していて解決の道筋が見えないようになっている。現実もそうなのかもしれないが、この映画で想定するところが現実と乖離していて余計に変に思われるんだろうな。前知識がなくても市長を分かりやすく道徳的な悪に見えるように誘導している。その意図が見えすぎるので冷めたりもした。
・そういう部分は置いておき、あまり見たことない場面から映画が始まって終わるのでそこが良かった。紛れもない「団地」の映画だった。狭いがそこに人が暮らしていることがこんな形で映像化されているのを初めて見たと思う。そういうところが良かった。
・スクリーンを出て余裕があって迷いつつ同じ劇場でチケットを予約した。意図せずさっきまで自分が座っていた隣の席でまた映画を見た。
・『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー【ニナ・メンケスの世界】』を見た。良かった。
・特集上映のような形でいくつか上映されているらしいが全然前情報なく見た。なんか観測範囲で見ている人がいる~とだけ思って見たけれどフットワーク軽くてよかったな~と思えた。
・映画監督でもあるニナ・メンケスが行った講義を基にしたドキュメンタリー映画。ハリウッドを始めとする名作を問わないほぼすべての映画がどれほど「男性のまなざし」によって作られているか、どういう影響を観客に及ぼすかを指摘し批判している。
・映像で女性をモノとして扱うような客体化がどのような技法で行われているかを分析していて普通に勉強にもなるし、違和感なく無批判にそういうものを摂取している価値観をバチッと指摘してくるのでシャンとした。各映画の性的な場面が分析対象になっているが、それがまぁどの映画にもあるので最終的には「あほくさ」という気持ちになっていた。名作であろうが「あほくさ」と言うための第一歩を得た気がする。
・視覚言語、visual languageという単語がしばしば登場してそれが気になった。巷で言われているコンプラ/ポリコレ的な出来事のいくつかは単語レベルの有り無しを判定するものかと思う。単純には差別的な単語は言うべきでないってことだけどそれを視覚にまで拡張する余地というか、そこを射程に入れるように今後なっていくんだろうなと思った。
・映像は目で見て理解できるが基本的には受信しかしない。映像で会話することがないのでその映像がどのような歪んだ文法で作られているのかを判別する術を学ぶことがない。批判するには批判的な目を養うことでしか成立しない。これはかなり難しい。映像も言語として取り扱うというのはたぶんすでに分野があると思うのでもっと知りたい。
・「男性のまなざし」による視覚言語が観客だけでなく業界内の雇用差別、性的虐待とトライアングルを描いていると指摘するのも鋭くて良かった。レイプカルチャーの下地を作っている的な指摘もあって、人によっては「ほんとか?エビデンスは?」とか言いそうだな~とか思った。実際にネットの議論場でエロ系オタクコンテンツの広告やゾーニングの話にはそういった類のことが取りざたされている印象がある。この「男性のまなざし」がOBEYや『虐殺器官』のようにしか感じられない人を想像するのは容易い。
・ただ視覚言語とさっき書いたように映像も言語としてみれば不適切な言葉遣いや差別用語を使うべきないことは理解しやすいと思う。特定の人を傷つけ愚弄するような言葉を日常的に話す人とは関わり合いたくない。そういうごく当たり前のレベルで映画の中には許容しがたい部分があるという素朴な話に過ぎない。人種差別なんかは分かりやすいのですぐに批判されるが「男性のまなざし」はあまりに根深いのでスルーされているだけだ。
・映画を見ていて「男性のまなざし」を言語化していなかったが個人的には広告やソシャゲでそれを感じているのを根拠づけられた気がする。インターネットも「男性のまなざし」によって作られている。オタク向けコンテンツもしかり。ひいては社会全体がそうなのでハリウッドから出てくる映画も同様である。そうやって見ていくと歴史的な積み重ねの嫌さや問題の巨大さに唖然としてしまってやんなるね。
・なろう系コンテンツが苦手なのもあからさまに「男性のまなざし」があるからだな。
・主体と客体の分析で大体進んでいくが映画での「見る:見られる」関係が切り替わる瞬間がなぜ面白いのか、その理由付けも増えた気がする。観客は特権的に、一方的に映画を見る。それが「見られる」ことで壊される瞬間がたまらなくスリリングで好きだ。それはその構造ごとフレームを覆しているからなんだなーと整理された。
・そういえば「男性のまなざし」はMale Gazeで風来のシレンのゲイズ(かなり強い)はこのGazeなんだなと気づいた。わかりやすい命名だ。
・今週末にマッドマックスの新作が公開予定だけれど、その直前に見られてよかったと思う。
・食事をするか迷って帰宅。マクドでコーヒーフロートを手に入れた。前に買った無印良品の南インドカレーセットを食べる。湯銭をしてからバスマティライスを茹でた。調べると7分茹でるといい感じになるらしい。実際やってみるとそれぐらいかかった。130gぐらい茹でたがあっさり食べきってしまった。無糖のパルテノを買っていたよかった。
・食後に切り抜きを作る。一本分を聞くだけなのだけど集中力が持たずにちらちらタイムラインを見ていた。今日はなんかこんな感じが続く。
・日が沈む前に出かける。無印良品でシャンプーとかを買った。おそらく今使っているシャンプー類がいまいちで乗り換え先を探していた。シャンプーの探し方はなかなかに難しくてお試しもあまりできない。こういうときはグーグル検索でなくyoutubeを使って複数の評価軸を手に入れがち。入手のしやすさと評判を並べると無印良品から試してもいいんじゃないかと結論づいた。
・ほとんどカレー屋と思っていたが実際にバターチキンカレーを「6代目」と評して初代から順に販売していた。すごい。
・他人のおすすめというかタイトルが上がっていたスケラッコの『盆の国』を読んだ。よかった。
・お盆をループする、ありていに言えばそうなのだけどループもの的な快楽とは違う方向に舵を切っている。ネイティブな京都弁が絵柄も相まって心地よい。人の死にどうやって直面するか、といったテーマをスケール感持たせてやっていて良かった。映画みたいだ。話の最後はカラーや一枚絵でキメて終わる、のもサービスがあって嬉しい。
・フィクションの夏は現実より涼しそうで良い。出てくる猫の名前が「しじみ」で背中の柄が開いたしじみだから、というのがキュートだった。感想を人に伝えた。
・バスマティライスを茹でた。茄子、厚揚げ、サラダ豆で味噌炒め的なものと雑に作って混ぜて食べた。
・夜、undertaleをちょいちょいやったりした。
・寝床や机で読書しやすいようにバッテリー式の卓上ライトを買っていた。それを使ってビジュアルシンカーを読んでから寝た。