20240430──蕎麦は観光地価格だぜ!

・六時過ぎに起きた。ぐわーとカーテンを開けて日光を浴びる。より良い生活のためには日光を浴びよ!と言われるがすでに達成出来ているのであんまり参考にならないんだよな。音声放送を聞く。

・一階のコインランドリーを使いに行く。初めてコインランドリーを使う気がする。あんまり見ないままお金を入れていたが、使用する前に槽を洗うらしいけどそのまま洗濯物を入れてしまった。しゃあーないのでそのままいく。

・30分経つまでに本読む。

・再び一階に行って今度は乾燥機。Tシャツを見ると乾燥機ダメ!のマークがある。けど気にしない!

・30分経つまでに本読む。

・洗濯物を引っ張り出すとTシャツはほんのりと湿っていて全然足りてなかった。しゃーないので部屋のハンガーにかけて空調をドライにしたまま部屋を出た。

・コンビニに現金をおろしに行くとホテルのフロントマンが出てくるところだった。結構でかい車に乗ってるな。

・豊岡駅から城崎までJRに乗る。ワンマン運転には慣れているけど豪雪地帯の開閉ボタンがあるタイプは新鮮。押して開けて押して閉めるが馴染んでない。

・揺られて城崎温泉についた。人はまばらで雨が降っている。天気予報は曇りだったので傘を持たずに来たけど城崎はほとんど山の間にあるので雨が振りやすいらしい。ずっと霧雨小雨を行き来していた。

・喫茶店に入る。モーニングでしょっぱめのトーストを食べた。本を1時間位読んでタバコの煙が濃くなったので退散。

・雨よけができるベンチで『Anthro Vision 人類学的思考で視るビジネスと世界』を読み終わった。文化人類学がビジネスの場で活躍している事例が載っていてそこは面白かった。けど学問が役に立つことはたしかに良いんだろうけど、なんか学問の好奇心を満たす面白さを偏重しがちな自分としてはモヤッとするところもあった。別にそういう意図は著者にないだろうがビジネス系自己啓発に「デザイン」や「哲学」が駆り出されているのと同じように「文化人類学」が引っ張り出されているなと感じた。

・書かれているような、他者を理解する姿勢のために文化人類学的視点(アンソロ・ビジョン)があったほうが良いのは賛同できる。そして他者を理解しようとすることは自分との違いを理解することであり、巡り巡って自分についての理解を深めるのもまた賛同する。ただそれが実利があるから、ってのには躊躇をする。それはなぞの学問を理想化している価値観が自分にあるからなんだろうか。

・グローバルな展開をしている会社で社会科学の分野の人材を雇っているというのは知らないところなので面白かった。海外展開に向けて現地の人々を詳しく知るためだけでなく、経営層が従業員のことを知るためにそれらの手法に頼っているのも面白い。そういう研究結果はそれなりに数があるらしいのも気になった。

・後半はサステナビリティとかの話をしていてちょっとつまらないので飛ばし飛ばし読んだ。

・オモロうんちく本ではあるが事例集的な感じにしか自分には読めないところが大きかったかな。それって文化人類学か?みたいなのもあるし。

・城崎に来たら温泉だろうということで行く。最初は御所の湯へ。外湯めぐりの1日券があることを知っていたがカウンターに案内がなかったので尋ねて買った。レンタルタオルを手に入れる。

・御所の湯に限らず外湯はおそらくこじんまりしている温泉の集まりなんだろうな。巡ることを前提としているようだし、町中にある銭湯とサイズ的には同じっぽい。あとなが〜く入るように設計されていないようで水風呂とかサウナとかもなくストレートに露天風呂、内湯のみがある。唯一スーパー銭湯らしいと言われている施設が休業中なので現在の城崎温泉はナーフされている。

・そんなんだけど御所の湯はかなり良かった。露天風呂だけではあるがすぐ外が森で川が滝のように流れているのが見える。湯船も高さ別に3箇所あって森に近いほうがテンション上がる。施設がキレイなのも良い。水風呂はないが外気浴ができるようにベンチがあって長居できた。

・これも事前に把握していたが城崎の湯の温度は基本的に高い。御所の湯も最初はあち〜なって感じで入っていた。慣れてくるとそれなりに入っていられる。

・外気浴をしたり洗い場で水のシャワーを浴びたりしながら1時間くらいいた。

・レンタルバスタオルが外湯で共通らしくどこでも返却できる。が、これを持ち歩いていいんだろうか?という疑問が出た。巡る先々で使うのは良しとして、それを往来に持ち出すのはなんか衛生的なボーダーに触れそうな気がした。あとこれを持って飲食店に行くのは結構ギリギリだなーと思ってカバンに入れることにした。幸いにも水切り用のタオルを持参していたのでバスタオルがビショビショになることはなかった。

・曇っていて少し肌寒いぐらいだか風呂上がりのぽかぽか体温で霧雨が無効化される。食べたいものもそんなになかったので蕎麦屋へ。店先の食品サンプルが雪崩を起こした。

・メニューを見たら蕎麦屋なのにラーメン、うどん、どんぶりを押しているようで危険信号が出た。冷やしそばが食べたいので普通にざるそばを頼んだ。注文してからなぜか背後で音がするなーと振り向いたら亀がいた。なぜ蕎麦屋に亀がいるんだ。しかも結構元気でぴちゃぴちゃしていた。

・蕎麦は観光地価格だぜ!って感じであった。

・腹ごなしにカフェに行く。ホットコーヒーを頼むと酸っぱい系のコーヒーだった。たぶん甘味と一緒に食べると良いんだろうな。

・『SNSの哲学』を読んでいた。猫が表紙にいっぱいいるし挿絵も多い。いいね!ではなく「ファボ」とわざわざ書いているのが良かった。

・内容はさほど難解でもなくそれほど踏み込んでいないのでスルッと読める。Instagramのストーリーズに関する分析とかタイムラインを始めとするSNSの時制の話とか、興味深いトピックはいくつかあるがすぐに終わるのが惜しい。

・最初のほうが承認欲求の話になるが、SNS疲れをしないためには相互承認だ!と結論付けられるのは結局気の持ちようってこと?ってなった。誰かに承認されたくてSNSやってないからその辺を分からず読んではいる。

・エアリプや炎上は「言語ゲーム」の問題と言われていてウィトゲンシュタインエアプが捗る。

・人が多くなってきたので店を移動して足湯へ。ちょうど足をつけようとしていたら同じタイミングで男女のカップルが来て並んで足湯に入った。城崎全体がそうであるように足湯もまた熱かった。足だけなので皮膚の赤くなる様子が見やすい。入っていると慣れてくるが時たま休むように石の上に足をおいた。『SNSの哲学』を読了した。

・足湯に誰かが入るたびに「熱い!」と言ってて同意しかなかった。近くに温泉卵をその場で作れる売店がありなぜか21savegeの『Redrum』が流れていた。面白い。

・足湯にも一時間くらいいた気がする。湯の底が銭湯には無いヌルヌル感で衛生面を気にする人の気持がよく分かる。お湯が張り替えられている感じはあんまりしない。朝から城崎内を行ったり来たりしていたせいで空の足湯と満たされた足湯の差分も見られているのキチンとしている足湯もあるのはなんとなく分かっている。

・読書に疲れたのでまた風呂。雨に振られて一の湯に来た。内湯と半露天風呂のみで休めるところがないので30分ぐらいで出た。当然湯は熱い。洞窟風呂と銘打たれていて本当に洞窟の中に風呂がある。ロケーションとしては面白いが風が吹き込んだりしないので長居はし辛い。

・もういいやと駅に向かう。さっぱりしたはずが雨に振られて全体的にしっとりした。電車は一時間に一本ぐらいしか無いので時間を持て余した。暇つぶしに土産店を冷やかしていた。

・そもそもあんまり旅行にいかないので土産を買う習慣がない。会社に買うのは面倒なので無しだけど友達に買ってもいいかもなと悩んで結局買わなかった。こういうところのセンスが無いのは知っているし良好に行ったからお土産を渡すというベタがなんか恥ずかしくてやれない。もし買うなら……と悩んでいたのは土産物でしか貰わないような瓶詰めの調味料(丹馬牛の肉味噌や食べるラー油)。土産でもらって食べるタイミング逃しがちなやつ、って狙いであえて買うっていうやつをやろうとしたけど普通に滑りそうなので止めた。自意識で土産を買わないのって結構だめかも知れない。

・行きよりも車両が多いワンマン電車で豊岡へ。降車の際に開くボタンに手を添えている早押しに備える地元民を見た。駅のホームには高校生がたくさんいて平日を感じる。

・明日の天気予報を確認すると最高気温が15度となっている。上着の類を一切持っていないので豊岡のユニクロへ向かう。久々にユニクロだけの建物に来た。地方のユニクロはマインクラフトの豆腐建築みたいなデザインがち。パーカーを買ってもな〜〜の気持ちでスウェットシャツを買った。ギリ重ね着が出来そう。

・服を手にして夕飯を求めて彷徨う。おそらく平均的な、町のラーメン屋に入った。チャーシュー麺を食べる。

・ホテルに戻って酒を片手に日記を書き寝ていく。